1970年3月7日生まれ、イギリスのロンドン出身。ケンブリッジ大学在学中に演技に目覚め、1993年に女優デビュー。テレビ映画などを経て『チェーン・リアクション』(96年)でハリウッド進出。『魅せられて』(96年)で脚光を浴びる。『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』(99年)、『アバウト・ア・ボーイ』(02年)などで人気を集め、『ナイロビの蜂』(05年)でアカデミー賞助演女優賞を受賞。その他の主な出演作は『コンスタンティン』(05年)、『ファウンテン 永遠につづく愛』(06年)、『ドリームハウス』(11年)など。
何度も映像化、舞台化され、世界中の人々に魅了し続けるファンタジー小説『オズの魔法使い』シリーズ。原作者のL・フランク・ボームは、主人公オズがどのようにして生まれたのかについて、ハッキリとは物語ってこなかったが、その誕生秘話を描いたのが、ディズニー映画『オズ はじまりの戦い』だ。
偶然、魔法の国に迷い込んだ手品師のオズが、偉大なる魔法使いになっていく過程が美しい映像と共に描かれていく。劇中には3人の魔女が登場、1人は人を巧みに操りエメラルド・シティの守護者を自称する東の魔女エヴァノラ、もう1人はエヴァノラの妹で心優しくだまされやすい西の魔女セオドラ、そしてカドリング族の国を慈悲深く見守る善良な南の魔女のグリンダだ。
レイチェル・ワイズが演じたのは、邪悪な心を持つエヴァノラ。『ナイロビの蜂』(05年)でアカデミー賞助演女優賞を受賞した演技派の彼女に、本作について語ってもらった。
ワイズ:一番魅力的だったのは“バッドガール”になれるということ。彼女は悪行を大いに楽しんでいるわ。このキャラクターに私が惹かれたのもその部分だと思うの。それに脚本も気に入ったわ。また、サム・ライミと一緒に仕事ができることにも興奮したわ。サムの演出を受けることはとても楽しかったし、彼は本当に素晴らしい人なの。
ワイズ:エヴァノラは東の魔女で、エヴァノラがこの映画に登場するのは、ちょうどオズがエメラルド・シティにやって来た時期よ。エメラルド・シティには、ある予言があったの。オズの国を救ってくれる魔法使いの出現をみんなは待っていた。そんなときにオズが現れると、ミラ・クニス演じるエヴァノラの妹の西の魔女セオドラは、彼の名前がオズなので、彼こそがその魔法使いだと考えるのよ。でもエヴァノラは確信が持てなかった。彼はペテン師かもしれないと思っていたの。それにエヴァノラには王座を守ろうという意識が強くあった。そこで彼を試すのよ。彼が本当に予言された魔法使いなのかどうかをね。
ワイズ:手品師だった主人公オズが、どうやって偉大なる魔法使いになったかが描かれているわ。小説「オズの魔法使い」以前の物語として始まるの。オズがどうやってエメラルド・シティにやって来たのか、どうやって魔法使いになったのか、あの国に暮らしている3人の魔女たちとどうやって出会ったのかが描かれているのよ。
ワイズ:私が着るのは基本的に1つの衣装。それがグリーンから黒に変わるの。善良な王座の守護者のふりをしているときのエヴァノラの衣装はグリーンよ。でも、本性を現すと、衣装が黒になっているの。確か、エヴァノラの本当の年齢は372歳のはずよ。だから彼女は自分が老けて見えないように魔法をかけているわ。ドレスには羽がついていて、また、ちょっと軍服的な要素も入っているけれど、それは彼女が軍のリーダー的な存在でもあるからなの。
ワイズ:この映画で彼と私が一緒に登場するシーンは少ししかないのよ。そのひとつは、彼が最初に謁見室(えっけんしつ)に連れてこられたとき、私が派手な演出を見せつけるシーン。ジェームズはとてもチャーミングで、同時にとても魅惑的という完璧なコンビネーションがあるわ。しかもそれとは別に、このキャラクターは基本的にペテン師だから、道化的な要素もあるわね。ジェームズは本当に面白いの。私と一緒に演じたところでも、彼はとてもコメディ調だった。ものすごい魅力を持っているわね。
ワイズ:サム・ライミは、信じられないほどの情熱と、素晴らしくも子どものようなイマジネーション、ウィット、そして人間性をこの作品に注ぎ込んでいるわ。元々、彼の映画のファンだったけど、今では彼自身の大ファンになったわ。
彼には物語を語るという美しい能力があるの。本当に素晴らしいストーリーテラーよ。サムは間違いなく愛すべき人物で、信じられないほどのエネルギーの持ち主ね。撮影現場でもいつもジョークを飛ばして人々を笑わせるの。彼の演出を受けたことを心から楽しんだわ。
ワイズ:善対悪、ファンタジー、それに魔法使いを信じるか信じないかという物語は、まさにお伽噺そのものよ。子どもの寓話や民話のようなお話ね。つまり典型的な伝統物語と同じなのよ。L・フランク・ボームはそういう部分を呼び起こさせているんだわ。
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