「セックスは一回もやったことない」…長年ゲイであることを隠して生きてきた男性、94歳となった現在の思いとは

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(C)MBS/TBS 
(C)MBS/TBS 

激動の時代を生き抜いてきた同性愛者に密着した『94歳のゲイ』

激動の時代を生き抜いてきた94歳の同性愛者に密着したドキュメンタリー映画『94歳のゲイ』より、予告編とポスタービジュアル、場面写真を紹介する。

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かつて同性愛は“異常性欲”“変態性欲”だと公然と語られ、治療が可能な精神疾患とされてきた。1929年生まれの長谷忠さんは、誰かと交際したことも性交渉の経験もない。ゲイであることを誰にも打ち明けることなく、好きな男性ができても告白することもできない時を過ごしてきた。詩作を心の拠り所にしながら孤独の中で生きてきた長谷さんに訪れた大きな変化、90歳を超えて初めて経験する“出会い”と“別れ”。多くの悲しみを見つめてきたその心に去来する思いとは?

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長い間ゲイであることを誰にも打ち明けることなく、孤独の中で生きてきた長谷さん。唯一の拠り所は文学、詩作だった。1963年に現代詩の新人賞として最も権威ある「現代詩手帖賞」を受賞、そのどこか飄々とした佇まいは選者である谷川俊太郎にも高く評価され、著作も複数刊行。94歳となった今も日々、短歌を詠む。

長谷さんが生まれた当時”同性愛は病気である”と公然と語られていた。その後時は流れ、同性愛者を取り巻く環境は大きく変化してきている。そんな中、自身もカミングアウトを果たし、理解あるケアマネージャーの存在にも支えられ、日々をたくましく生きる長谷さんだったが——。

今回紹介するのは、若かりし頃のどこか緊張した面持ちの長谷さんと、一人静かに短歌を詠む現在の姿が対比された美しいポスタービジュアル。また「セックスは1回もやったことない」というインパクトのある言葉から始まる予告編は、詩人として成功しながらも「ものすごく生きづらかった」と語る過去と、現在の日常生活が淡々と映し出され長谷さんの孤独な人生が浮き彫りになっていく。

一方で、日本初の商業ゲイ雑誌「薔薇族」の元編集長である伊藤文学のインタビューなどで同性愛者たちが歩んできた歴史も語られ、作品の世界観を伝えている。そして、ラストは長谷さんが日々書き綴っている短歌からの引用「笑っておくれ、人の弱みを」という印象的な言葉で締め括られ、余韻が残る予告編となっている。

『94歳のゲイ』は4月20日より全国順次公開。

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