製作費約200億円! Netflixが再びアカデミー賞を狙うスコセッシ監督作『アイリッシュマン』
#アカデミー賞#興行トレンド#アイリシュマン#アル・パチーノ#ジョー・ペシ#マーティン・スコセッシ#ロバート・デ・ニーロ
昨年の『ROMA/ローマ』に続き受賞なるか?
11月5日、東京国際映画祭の特別招待作品としてマーティン・スコセッシ監督の新作『アイリシュマン』が上映された。当初はクロージング作品として東京国際フォーラムでの上映を予定していたが、TOHOシネマズ六本木ヒルズの4K対応スクリーンで特別招待作品として上映された。当日は3回の上映があったが、チケットが10月12日に映画祭公式サイトで発売が開始されるとすぐに売り切れる人気ぶりだった。
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舞台は第2次大戦後のアメリカ裏社会、主人公はフランク・“アイリッシュマン”・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)。マフィアのラッセル・バッファリーノ(ジョー・ペシ)に仕えた実在の殺し屋で、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)の暗殺をはじめ、多くの殺人事件に関与したとされている。スコセッシ監督が長年温めてきた企画で、スコセッシ作品にデ・ニーロとペシが出演するのは『カジノ』以来24年ぶり、パチーノが出演するのは初めて。デ・ニーロはスコセッシ監督と共にプロデューサーに名を連ねている。
本作の製作はネットフリックス。昨年の『ROMA/ローマ』と同じくアカデミー賞を狙った大作だ。11月27日から世界で同時に配信されるが、それに先駆けること11月1日から12月1日までの1ヵ月間、ニューヨークの老舗ベラスコ劇場で上映されている。
スティーブン・スピルバーグ監督がアカデミー賞の対象からネットフリックス映画を排除しようと発言するなど、映画界ではネットフリックス映画に対する風当たりが強い。それなのになぜ大御所スコセッシ監督がネットフリックス映画を作ったのか。その答えは「製作費が巨額で既存の映画会社が企画に難色を示したから」。
昨年の『ローマ』のようにアカデミー賞レースで再び旋風を巻き起こすことができるのか。第92回アカデミー賞は20年1月13日にノミネートが発表され、2月9日に授賞式が開催される。(文:相良智弘/フリーライター)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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