直木賞作家・角田光代初の長編サスペンス小説を映画化した『八日目の蝉』。NHKでもドラマ化され話題を呼んだこの作品の完成披露舞台挨拶が4月18日に丸の内ピカデリーで行われ、キャストの井上真央、永作博美、森口瑤子と、成島出監督が登壇した。
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物語は、不倫相手の子を宿すものの母になることが許されなかった野々宮希和子が、その男と妻との間に生まれた赤ん坊を誘拐。4年間に渡って育てるという部分と、その子が大きくなってからの部分の2パートに別れて展開。その多くのシーンでロケ地となった小豆島では、4月9日と10日に先行上映会が行われた。成島監督は「3000人以上が2日間の上映で来てくれた。小豆島で生まれ育った方々も、自分のところがこんなにきれいだったとは知らなかったと言ってくれ、すごく嬉しかった」と感謝の意を示していた。
本作で希和子を演じたのは永作。希和子に4年間育てられた後、本当の両親の元に戻され大人になった恵理菜には井上が扮した。撮影で一緒になることはなかった2人だが、実は永作は、こっそりと小豆島を訪れ井上の撮影現場を覗いたそう。「井上さんも大変なシーンが多かったので、あまりご迷惑をかけちゃいけないと思って『こっそり遠くから見ているので、誰にも言わないでください』と伝えたら、監督にも内緒にされたみたいで、本当に誰にも気づかれず、ちょっと寂しいなと思った」と永作。まだ役になりきっている最中だったこともあり、「あー、大きくなったんだなぁと、軽く涙を流しながら井上さんの姿を見ている自分がいて不思議な時間でした」と話していた。
これに対し井上は「(永作が来ていたと)聞いたときは、声をかけてくださったらと思ったんですけど、恵理菜も、成長を陰から希和子さんに見られていたのかもしれないって思うと、一瞬ゾクッとしました」と答えていた。
一方、子役との共演で苦労したという森口は「リハーサルで、少しだけ本息(本番通り)で演じてしまったら、薫役の(渡邉)このみちゃんから怖がられてしまい、本番で近くに寄ってもらうのが大変でした」と苦笑い。「たまに彼女の方から寄ってくるので、良かったと思って近づくと、ワンちゃんやかネコちゃんと同じようにパーとまた逃げられちゃう」と撮影を振り返っていた。
その後、昨年10月から活動を休止していた中島美嘉が登場。本作の主題歌が復帰第一作目となる彼女が、休止後、初めて観客の前で歌を披露。その歌を聴いていた井上が、感想を聞かれ思わず涙ぐむ場面も。「いろいろ思い出しちゃって」と話す井上は、「こうして近くで聴けて、すごく感動しました。みなさんより先に泣いてすみません」と観客に頭を下げていた。
また、中島は「恋人だろうが、家族愛だろうが、とにかく大きな愛をテーマにしているので、どんな形で(聴いてもらって)も当てはまるが、映画の話をいただいてから作った曲なので、映画と一緒に聴いていただくのが1番、この曲には合っているのかなと思います」と、歌に込めた思いについて語っていた。
『八日目の蝉』は4月29日より全国公開となる。
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