5月22日(現地時間)、第64回カンヌ国際映画祭が閉幕し、最高賞のパルム・ドールには、受賞を本命視されていたテレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』が輝いた。
・『ツリー・オブ・ライフ』のブラッド・ピット、ショーン・ペンがカンヌで固い抱擁!
・[動画]『ツリー・オブ・ライフ』予告編
同作はブラッド・ピットとショーン・ペン共演で描く、50年代から現代に至るある家族の物語。日本では8月12日より公開となる。マリック監督は公の場に姿を現わすことは滅多になく、今回の授賞式も欠席。代わりにステージに立ったプロデューサーのサラ・グリーンとビル・ポーラッドは「監督は恐ろしくシャイなことで有名ですが、この受賞をきっと喜んでいるはずです」と語った。
女優賞は『MELANCHOLIA(原題)』のキルステン・ダンスト。監督のラース・フォン・トリアーがヒトラーに関する問題発言をして映画祭追放になったばかりだったこともあり、スピーチでは「なんという1週間だったんでしょう」と思わず口にした。男優賞は、ミシェル・アザナヴィシウス監督によるモノクロのサイレント映画『THE ARTIST(原題)』のジャン・デュジャルダン。トーキーの時代を迎えて危機感に苛まれるハリウッドスターを演じた。
監督賞は、ライアン・ゴズリングが強盗団の車両運転手を演じた『DRIVE(原題)』を手がけたデンマーク出身の新進監督、ニコラス・ウィンディング・レフン。審査員特別グランプリは2作品が受賞した。『ロゼッタ』『ある子供』で2度パルム・ドールに輝いた、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の『少年と自転車』と、トルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『ONCE UPON A TIME IN ANATOLIA(英題)』。同監督もカンヌと相性が良く、03年に『冬の街』で審査員特別グランプリ、08年の『THREE MONKEYS(英題)』で監督賞に輝いている。
審査員賞は『POLISSE(原題)』のマイウェン監督。ステージに駆け上がり、息を切らせながら涙をこらえて感謝のスピーチをする彼女を、かつてのパートナーであるリュック・ベッソン監督が客席で涙ぐみながら見守っている姿がテレビで中継されていた。
脚本賞はイスラエルの『FOOTNOTE(英題)』のヨセフ・シダー、新人監督賞に当たるカメラ・ドール賞は批評家週間に出品されたパブロ・ジオルジェリの『LAS ACACIAS(原題)』に輝いた。
日本から出品の『一命』(三池崇史監督)、『朱花の月』(河瀬直美監督)は残念ながら無冠に終わった。
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