次々とベストセラーを生み出す人気作家・東野圭吾が、初めて恋愛をテーマに執筆したことも話題の同名小説を映画化した『夜明けの街で』。この作品の完成報告会見が8月11日に六本木アカデミーヒルズで行われ、キャストの岸谷五朗、深田恭子、木村多江と、若松節朗監督が登壇した。
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物語は大手建設会社に勤務し、美しい妻(木村)と娘にも恵まれ、「不倫をする奴なんて馬鹿だ」と思っていた主人公の渡部(岸谷)が、派遣社員としてやってきた秋葉(深田)の謎めいた魅力に惹かれ、恋に落ちてしまうところから展開していく。
若松監督から「日本一不倫が似合う男」と紹介された岸谷は、両隣に不倫相手と正妻を演じた女優がいることについて聞かれ、「地獄絵図ですね(笑)。撮影中は幸いにも、こうして3人が揃うことはなかったので気が楽でしたけど」と苦笑い。役作りにも苦労したようで、「もういい加減にしてくれよっていうくらい大変でした。俳優が苦しむのが楽しいみたいですね、この監督は」と話し、さらなる笑いを誘っていた。
一方、正妻を演じた木村は「(正妻と不倫相手の)対比になると思うので、見てくれる人が、こういう奥さんがいるのに(不倫相手に)行っちゃうんだって思えるような奥さんを演じなければと思った」と役作りについてコメント。また「本当はどこかで気づいているんです。この人、浮気をしているって。でも、それを出さない」と妻の心境を明かすと、「2回目に映画を見ると、あっ、ここで気づいているんじゃないかって思えるし、3回目に見ると、あっ、もっと前から気づいていると思える」と作品の魅力について語っていた。
本作は「不倫」がテーマ。記者からはキャスト3人の不倫観を問う質問が寄せられた。「体験があれば体験談でもいいのですが」と付け足されると場内は爆笑。岸谷も笑いながら「体験はありませんが、地獄なんでしょうね」と回答。
同じ質問に深田は「まだ結婚に夢を持ちたいので、この映画の話だったり監督の話を聞いていると、すごく寂しい気持ちになる」と未婚の女性らしい回答。別の記者から9月公開の『セカンドバージン』では不倫される妻役を演じ、今回は不倫をしてしまう女性役を演じるなど、両方の立場を体験した感想を聞かれ、「本当に結婚ってそういうものなのかなと思う。どちらから見ても不倫からは、悲しい結末しか生まれないのかなと思う」と答えていた。
また深田は、最後のメッセージでも「不倫はこの映画のなかだけで楽しんでいただけたらと思います」と呼びかけ、集まった報道陣を笑わせていた。
『夜明けの街で』は10月8日より角川シネマ有楽町ほかにて全国公開となる。
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