どこにでもいそうな大学生が、ひょんなことからカンボジアに学校を建てようと奔走する姿を描いた『僕たちは世界を変えることができない。But, We wanna build a school in Cambodia.』。実話に基づくこの映画の公開を記念したイベントが9月7日に明治大学で行われ、現役の明大生らが見守るなか、この映画に主演し、明大OBである向井理らが登場した。
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・『僕たちは世界を変えることができない。』明大イベント、その他の写真
この日、登壇したのは向井のほか、松坂桃李、柄本佑、窪田正孝、村川絵梨と、原作者の葉田甲太。向井は「この映画は去年、日本とカンボジアに1ヵ月ずつくらい滞在し、魂を込めて作り上げた作品。それをこうしてみなさんにお見せできるのは幸せなこと。僕らの思いを、今日、みなさんと分かち合えたらいいなと思います」と挨拶。
また、学生から「カンボジアで学校を建てたことで人生観は変わったか」と聞かれ、向井は「映画を通して経験したことなので、原作の甲太くんの方が、より近い答えを出せるかと思う」と前置きした上で、「カンボジアにいたときよりも、日本に帰ってきたときの方がショックだった。日本だと蛇口をひねればお湯が出てくるが、カンボジアでは僕らが泊まったホテルでも、シャワーでお湯が出なかったり、砂が出てきたりするのが当たり前。そういう当たり前だと思ってきたことを変えてくれた」と話していた。
同じ質問に窪田は「明日が来る、明日のことを考えられることがどれだけ幸せかを感じた」と回答。また、カンボジアでの撮影がなかった村川は、わざわざ、みんなが撮影中のカンボジアを訪れたそうで「真実を自分の目で確かめたかったのでカンボジアに行った。完成作を見たときに、カンボジアに行ったことがない方でも、カンボジアのことが理解できる映画になっていると思った」と語った。
原作の葉田「はこの映画は小学校を建てようという映画ではなくて、お母さんにありがとうというのでも、おじいちゃんに席を譲るのでもいいので、みなさんに(映画を見て)温かい気持ちになってもらえたら嬉しい」と話していた。
一方、今回のカンボジアロケが初の海外だったという松坂は、カンボジアで一番印象に残っていることについて「朝3時半に起きて、1人でアンコールワットに行った」ことを挙げ、「朝日が昇って来るのを見たときに思わず涙が出そうになった」と振り返った。
ご飯もおいしかったそうで、「パクチー好きにはたまらん国です」と話したのはトム・ヤム・クン好きという柄本。向井から「いつも4人でご飯を食べに行ったが、トム・ヤム・クンがない店もさすがにあるわけですよ。そういうときは店を変えたがって、わがまま」と暴露されると、「トム・ヤン・クンを食べに行ってますから、なかったらお店は変えていただかないと」と開き直り発言。これに向井は「こっちはトム・ヤム・クンじゃないものを食べたい日もあるんだよ」と苦笑いを浮かべていた。
その後、学生に混じって客席にいたTBSの安住紳一郎アナウンサーが飛び入り参加。「大学生の方限定なんですけど、今日は」と向井に指摘されると、「15年前に文学部を卒業しました安住紳一郎です」と自己紹介し観客を笑わせていた。
さらに、主題歌を歌うRAM WIRE が生歌を披露したほか、明大応援団とチアリーダーが映画にエールを送る場面も見られ、会場は終始熱気が渦巻いていた。
『僕たちは世界を変えることができない。』は9月23日より有楽町スバル座ほかにて全国公開となる。
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