サダム・フセインの長男で「狂気の申し子」と呼ばれていた悪名高きウダイ・フセイン。彼の影武者になることを強要され、人生を奪われた男ラティフ・ヤヒアが、11月26日に成田空港に到着したものの、入国審査で許可が下りず入国できなかったことが明らかとなった。
ヤヒアは1987年から91年の4年間をウダイの影武者として過ごし、その後、ヨーロッパへ亡命。彼の苦悩に満ちた影武者生活を描いた衝撃作『デビルズ・ダブル −ある影武者の物語−』が来年1月13日より日本公開となる。今回の来日はそのプロモーションのため。ムビコレでもインタビューをする予定だった。
劇中ではウダイの残虐ぶりが次々と描かれ、身震いするほど。結婚式の最中に花嫁をレイプし自殺へと追い込んでも何の呵責も感じないウダイ。また、あるパーティでは、客の目の前で気に食わない男の腹をナイフで切り裂く……。常に酒やクスリ漬け状態で拷問も日常茶飯事という毎日のなかで、煩悶するヤヒアの姿が綴られていく。
同作を配給するギャガの発表によると、ヤヒアが入国できなかったのは危険人物とみなされたからではなく、書類の不備だという。
現在、亡命者としてアイルランドに暮らし、作家兼国際法律博士として活躍するヤヒアは、亡命者という立場上、パスポートを所持することができず、今回は特別のトラベルドキュメントでの来日となっていたが、このドキュメントに付随して提出しなければならなかった書類に不備があったことが理由だという。
来日できなかったことで記者会見やインタビューなどはすべてキャンセルに。会見にはデヴィ夫人がウエルカムホストとして登壇し、花束を贈呈する予定だった。
『デビルズ・ダブル −ある影武者の物語−』は2012年1月13日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて全国公開される。
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