俳優の伊勢谷友介が『カクト』以来8年ぶりにメガホンをとった映画『セイジ−陸の魚−』。この作品のトークイベントが先月後半の1月24日に原宿のcafe STUDIOで行われ、伊勢谷と音楽監督をつとめた渋谷慶一郎らが登壇した。
本作では、音楽を入れる段階で2人の意見が衝突し、渋谷が途中で帰ってしまったこともあったそう。そのことについて渋谷は「あれは怒って帰ったのではなく、互いに意見があって、それがまったく違う場合、着地点を見つけるとクオリティが下がることがある。だったら僕が帰って、そちら(伊勢谷)でやってくれた方が、真ん中の中庸なものに決めるよりかはいいと考えた」と、その真意を明かした。
また渋谷は「ここは音楽が入るなというのが、ラッシュを見ているとわかる。あまり考えなくてもココ、ココみたいに」と語ると、「ただ、それは自分が見てきた映画の記憶が参照されていることでもあるので、そこをどう変えていくかが大切」と、映画音楽に対する考え方を述べていた。
一方、伊勢谷は、共に東京藝術大学に在籍していた頃から知り合いだったという渋谷について「学生時代から知り合いではあったけど、一緒に作品を作る機会はなかった。卒業してからお互い10年以上経つなかで、渋谷さんが卒業後に継続している活動を横目で見ながら自分も創作活動を続けてきた。それが、ここに来てやっと一緒に1つの作品で向かい合うことができ嬉しかった」と話していた。
この日のトークでは、伊勢谷の学生時代について渋谷が「女の子が1人かぶってたりしたよね」と暴露し、伊勢谷を慌てさせる場面も見られた。さらにイベント終了目前に、最後のメッセージを求められた渋谷は「登場人物もそれなりにいるし、場面の転換も多いけど、非常にパーソナルな映画。彼(伊勢谷)が考えていることが非常にわかる」と口にすると、「年上の女が好きなんだなっていうこともよくわかる」と続け、伊勢谷から「誰がよ!」と突っ込まれていた。
『セイジ−陸の魚−』は2月18日よりテアトル新宿ほかにて全国公開となる。
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