昨年の邦画興収NO.1を記録したスタジオジブリの『コクリコ坂から』。この映画のDVDとブルーレイの発売が決定し、それを記念したトークショーが3月7日に恵比寿にあるザ・ガーデンホールで行われ、宮崎吾朗監督と主人公の少女・海の声を担当した長澤まさみが登壇した。
本作の企画立ち上げの経緯について吾朗監督は「『借りぐらしのアリエッティ』の後の企画を考えろと言われたが、1年くらい試行錯誤しても決まらず、袋小路に入ってもう間に合わないというところで宮崎駿からこの企画が出て来た。そうすると『やる、やらない』の判断ではなく、『やらなくてはいけない』感じになる。宮崎駿が書いたシナリオになるので、プレッシャーもすごくありました」と説明。
1964年の横浜が舞台となっているため、昔の映画や資料をたくさん見たそうで、「ロケに行ったり、資料を集めたりしながら横浜っぽい画を描いていると、白いヒゲのおじさん(宮崎駿)が来て、『こうじゃない。コクリコ荘の前には松林があって、麦畑があって』と言い出す。そうすると横浜の山手じゃなく、練馬辺りになってしまうが、宮崎駿監督からは『横浜じゃなくてもいいんだ。当時の資料を見てそのまま描くのではなく、その頃、こんな風景がアチコチにあっただろうっていうのを自分たちのものにし、画を描け』と言われた」と、父・宮崎駿監督とのやりとりについて語った。
一方、「子どもの頃からジブリがすごく好きで、ジブリで育ってきた」と話す長澤は、「日本国民から愛されるアニメ作品の主人公を演じるなんて、すごくプレッシャーでしたが、子どもの頃から慣れ親しんできたジブリの作品世界に自分が入れることは、本当に嬉しかったです」と振り返った。
本作は1964年に生きた若者たちの初恋を描いた作品。司会から「ご自分の初恋を照らし合わせた?」と聞かれた吾朗監督は、「語るほどの初恋はない」とかわそうとするも、司会から「(初恋は)いつ?」「不器用な恋?」「相手は誰?」などと突っ込まれ、「勘弁してください」と根を上げていた。
また、そんなやりとりを笑って見ていた長澤にも、司会の容赦ない追及は飛び火。最初こそ「初恋をした海ちゃんの気持ちは時代が違ってもわかる?」というライトな質問に、「私も割と自分の気持ちを言えないタイプなので、むしろ(海ちゃんのように)ああやって勇気を出して告白をするのは、すごく格好いいなと思います」と答えていた長澤だが、唐突に「初恋はいつ?」とディープな質問をされ、やや戸惑い気味。
それでも「中学生ですかね」と答えると、「同じ中学の?」(司会)、「……そうですね」(長澤)、「何部?」(司会)、「静岡県なのでサッカー部ですね」(長澤)、「実らず?」(司会)、「実らずですね」(長澤)と立て続けに質問され、「初恋は中学時代で、相手はサッカー部員」という思い出を明かしていた。
『コクリコ坂から』のDVDとブルーレイは6月20日に発売となる。
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