『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』に続き、伊坂幸太郎の原作を、中村義洋監督が映画化した第3弾『ゴールデンスランバー』。この映画が1月30日に公開初日を迎え、TOHOシネマズ 日劇2にて初日舞台挨拶が行われた。
登壇したのは、堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之、濱田岳、貫地谷しほりと中村監督の計8名。映画上映後、大きな拍手を浴びながら登場した堺は、「みなさまの熱気というか、温かい雰囲気に迎えられたような気持ちで、興奮し、安心しました」と挨拶。竹内も「空気が温かいので、良い手応えなんじゃないかと嬉しく思っています」と満足そうな笑顔を浮かべていた。
首相暗殺の濡れ衣をきせられた平凡な男の逃亡劇を描いた本作。「俺にとって残された武器は、人を信頼することだけだから」という主人公のセリフにちなみ、司会から「仕事をしていて、信頼したがためにこんなことになってしまった……」という話があったら教えてと言われた登壇者たち。堺は、「今回の映画は信頼できるスタッフばかりでしたが」と念押ししてから、ある映画でスキーのシーンを撮影したときのエピソードを披露した。スキーの上手い役という設定だったが、実はスキーはまったくできなかった堺。滑って行く前方で、助監督全員で堺を受け止めることになっていたそうだが……「助監督の言葉を信頼して滑ったら、受け損ねられてしまい、『うわ〜!!』と言いながらスキー場の奥に消えていったことがあります(笑)」と、苦い過去を明かした。
一方、竹内は、中村監督から「役作りはいらないので、素のままで演じてください」と言われ、リラックスした気持で撮影に臨んだという。だがある日、監督が、「晴子さん(竹内の役)は上昇志向の強い女だからな」とボソッとつぶやく言葉を聞き、「『素で入って』と言われたのに、どういうこと!?」と、自分が上昇志向の強い女だと思われていたことを問題視。それを聞いた監督は、「(自分の言葉を)覚えてないです」と苦笑い。「真逆です。もっと上昇志向をもったほうがいいんじゃないか」と言い訳しつつ、竹内のことを「頼もしい俳優というか……女優さんというより“男、竹内結子”というか……。尊敬しています!」と持ち上げ、誤解を解くのに必死だったが、ニンマリとした笑みを浮かべた竹内から、「監督、汗が出てません?」と突っ込まれていた。
劇団ひとりは、結婚前、思いを寄せていた女性が「芸人ハンター」だったことを知りショックを受けた体験を披露。香川は、中村監督から何度もダメ出しをされ、ようやくOKをもらった撮影に充実感を覚えていたのに、完成作の該当シーンには自分の顔が映っていなかったと苦笑いしていた。また「この映画で初めてアクションを体験した」という濱田は、ワイヤーアクションの撮影でワイヤーを信頼しすぎたために自らの努力を怠り、結果、「いざ、バク転をやってみようとしたら、垂直落下式ブレーンバスターみたいに首から落ちることになってしまい……。ぜひみなさんもワイヤーを信じすぎないように」と観客に忠告。香川から「みんなは(ワイヤーアクションをすることは)あんまりないと思うよ」と突っ込まれ、「じゃあ、ワイヤーと関わることがあったら」と言い直したが、またもや香川から「(ワイヤーに関わることは)ないと思うよ」と突っ込まれていた。
『ゴールデンスランバー』は全国東宝系にて公開中。
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