あのロマンポルノを現代によみがえらせたロマンポルノ RETUNSの第1弾として上映中の『団地妻 昼下がりの情事』。この映画のトークショーが、2月19日にユーロスペースで行われた。
出席したのは、1971年に製作されたオリジナル版に主演し、ロマンポルノの女王と呼ばれた女優・白川和子と、リメイク版を監督した中原俊監督。当時、「酸欠になるほどあえぎ声を練習した」という白川は、「でも、監督に『そんなんじゃないんだ!』と怒られて……」と、撮影を振り返った。怒られた彼女は、友人が経営するラブホテルに行き、壁越しに隣の部屋のカップルのあえぎ声を盗み聞きして役作りしたことを告白。「結構、声って出してないんだということを発見した。溜めて溜めての色気ですね」と、極意を明かしていた。
そんな努力のおかげか、「映倫のおじさんに『キミ、あえぎ声上手いね!』ってほめられました」と白川。「『団地妻 昼下がりの情事』は、私の誇りです」と話す彼女は現在62歳。「『いつか孫に、おばあちゃんは(以前は)こんなだったのよ!』って自慢したい」と語っていた。
70年代から80年代にかけて一世を風靡し、中原監督をはじめ、崔洋一、森田芳光、滝田洋二郎など多彩な才能を輩出した日活ロマンポルノ。中原監督はロマンポルノについて「男の妄想に好きなストーリーをつけられる、映画人にとってはとてもいい場所」とコメント。ピンク映画出身の白川は「東洋一とうたわれた撮影所を使い、ベテランのスタッフがいて、『ここはハリウッド!?』と衝撃を受けた。映画を撮っているという自覚も生まれ、あの時代を撮影所で過ごせたことは素晴らしい思い出」と振り返っていた。
また、中原監督は映画について、「ロマンポルノは、勝者ではない、どこか“足りない”人たちが主人公。日本の良い部分を感じていただき、がんばりきれない男性たちの応援にもなれたらいいですね」と話していた。
『団地妻 昼下がりの情事』は2月26日までユーロスペースにてレイトショー公開中。第2弾の『後ろから前から』は2月27日から3月12日まで、同じくユーロスペースにてレイトショー公開される一方、2月27日〜3月4日にスカパー!HDでペイパービュー放送もされる。
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