手塚治虫が10年を費やして描いた作品をもとにしたアニメーション映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』。その公開を前に、<−鎮魂と慈悲− ブッダの素顔展 手塚治虫と四大巨星>が東京タワーで開催される。石坂浩二、片岡鶴太郎、工藤静香、八代亜紀の4人がブッダの姿を描いた絵画が展示されるが、3月30日にザ・プリンス パーク・タワーでその発表記者会見が行われた。
・[動画]「鎮魂と慈悲 ブッダの素顔展」発表会見
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この日は石坂が都合により欠席、片岡、八代、工藤の3人が登壇した。まず片岡が、東日本大震災について触れ「日本が戦後最大の打撃を受けるなかで、今、私がブッダを描いていたこと、映画が公開されることは単なる偶然ではないと、ある種のミッションを感じました」と話すと、工藤と八代もうなずいていた。
日本画でブッダを描いた片岡は、ブッダの研究に3ヵ月を費やし、初めての本格的な仏画に取り組んだと説明。工藤は、「最初、(ブッダは)あまりにも偉大なので私にはまだ描けないんじゃないかと思った」と告白。八代は「お釈迦様の無償の愛を描いた」と話していた。
展覧会は、3月31日から4月17日まで東京タワーのTOWER GALLERYで、その後は京都の太秦撮影所で6月26日まで開催。会場では4人の絵をポストカードにしたものを販売し、収益を震災の義援金として寄付するという。
その後、行われた囲み取材では、どこで地震に遭ったかを聞かれた3人。子どもを迎えに行く直前だったという工藤は、台所で夕食の準備をしていたときに地震が起きたと明かした。最初はめまいがしたのかと思ったが、地震だと分かってからは、とにかく「子どもを迎えに行かなければ」という思いだけが先走り、歩けない程の揺れのなかを走って外に飛び出し、外に出てから「自転車で行けばいいのか車で行けばいいのか」と迷いオロオロしてしまったという。「本当はそんなに慌てちゃいけないのですが、なんて自分は愚かなんだろうと思いました」と話していた。
片岡は「展覧会で広島に行っていたのですが、トークショーが終わって楽屋に戻ったら携帯にメールが入っていて知りました」と振り返り、八代も熊本で地震のことを知ったと教えてくれた。
展覧会後は、被災地に絵を寄付したいと明かした工藤。「この絵はとても落ち着ける絵なので、私の絵でよければ寄付したい」と話していたが、寄付先など具体的なことはまだ決まっていないという。八代も、絵を個展で展示してチャリティ活動を行いたいと語った。
また、福島県内に自身の作品を展示する「福島片岡鶴太郎美術庭園」がある片岡は、「東北で、今も続いている番組に11年間出演していて、福島には美術館もあり、東北の方々とはご縁をいただいているので(知り合いの)安否が心配でしたが、お世話になった方々のご無事は聞いています」と安堵の表情を浮かべていた。
映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』は5月28日より丸の内TOEIほかにて公開。また<−鎮魂と慈悲− ブッダの素顔展 手塚治虫と四大巨星>の詳細は『ブッダ』公式ブログ(http://buddha-movie.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-547b.html)をご覧ください。
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