江戸時代に起きた、赤穂浪士47人による君主仇討ち事件を描いた「忠臣蔵」。日本人に長く愛され続けてきたこの物語を基に、生き残った人々のドラマを描いた映画『最後の忠臣蔵』が間もなく公開されるが、12月7日にその完成披露試写会が丸の内ピカデリーで開かれ、キャストの役所広司、佐藤浩市、桜庭ななみ、田中邦衛、そして杉田成道監督が舞台挨拶を行った。
[動画]『最後の忠臣蔵』完成披露試写会舞台挨拶
『最後の忠臣蔵』ヒット祈願舞台挨拶フォトギャラリー
杉田監督によると「スタッフ・チーフの平均年齢は70歳を超えています」。なかには80歳超の人々もいるそうで、「そういうスタッフの老人パワーが集まって、古き良き日本映画を再現しようとして作りました」と挨拶し、作品への自信をのぞかせていた。
そんな“老人たち”のバイタリティについて役所は「その老人たちが、佐藤さんや僕たち若い人を(笑)寝かせないくらい、夜中まで仕事し続け作りました」と振り返った。
杉田監督が手がけたドラマ『北の国から』で長年、主演し続けてきた田中は、監督を“杉兄(すぎにい)”と呼んで慕っていると明かし、「すごく長い付き合いで、ずっと(仲が)続いていることが喜び。また、一緒に(仕事が)できて嬉しさでいっぱいです」と監督への感謝を語ってから、「杉兄、おいら幸せだい!」と声を張り上げた。
また、どんな人に見てもらいたいかと聞かれた監督は、「かつて日本人は、勤勉を旨とし、清貧を美とし、己を殺して人のために生きることを善とした、そうした生き方を長く続けてきました。それが今、忘れられ、少しずつなくなってきている。でも、どんな人にも、底流にはそんな生き方を良しとする倫理観があるのではと思い、この映画を作りました」と語ってから、「すべての日本人に見ていただきたい」と語りかけた。
一方、忠臣蔵は男性に好まれる話で、女性向きではない部分もあると話し始めた佐藤。桜庭の方を父親のような眼差しで見てから「これを言うと、ななみちゃんに怒られちゃうかもしれないけど」と言ってから、急に小声になり「ななみちゃんも、実は忠臣蔵を知らなかったんだよね」と暴露! 桜庭は慌てて「内緒でお願いします(笑)」と頼んでいたが、後の祭り……。佐藤は「ごめんね」と詫びてから、「この『最後の忠臣蔵』は女性の目線でも入っていける作品」だとアピールしていた。
その後、映画の大ヒットを祈願して登壇者たちが鏡割りを披露。通常は日本酒の樽で行うのだが、塩が特産品の赤穂では塩の樽で鏡割りが行われるということで、塩が詰まった樽を割り、ヒットを祈願した。
この日は飲酒トラブルで大けがを負った市川海老蔵の記者会見もあったためか、最後のフォトセッションで役所は「明日、ほかにどんな事件があろうとも、必ず載せてくださいね!」と記者たちにアピール。客席からは、その言葉を後押しするかのような拍手が起こっていた。
『最後の忠臣蔵』は12月18日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開される。またアメリカのワーナーマイカルからのオファーにより、時代劇としては史上初となる日米同時公開も決定。邦画としては『ミッドナイト・イーグル』(07年)『REDLINE』(10年)に続く3作目の快挙となる。
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