コメディと悲劇を同時に表現できる、最も偉大な女優
イギリスから届いたシニカルコメディ『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』が9月10日より公開中。ムビコレではエドワード・ホール監督のインタビューを掲載中だ。
『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』エドワード・ホール監督インタビュー
舞台は、1937年のイギリス。ベストセラー作家のチャールズ(ダン・スティーヴンス)は元妻エルヴィラ(レスリー・マン)を亡くして以来スランプに陥っている。霊媒師マダム・アルカティ(ジュディ・デンチ)を自宅に呼んで妻の魂を呼び戻し、新しい小説のヒントをもらおうとするが、現在の妻ルース(アイラ・フィッシャー)は幽霊として戻ってきた彼女に嫉妬し予想外の事件が……。奇想天外な三角関係を描いたシニカル・コメディとなっている。
原案となったノエル・カワードの戯曲「陽気な幽霊」が大好きだったというホール監督。カワードは戦時中に人々を元気付けるため、この物語を書いたのだそう。「本作の撮影は2019年に行われましたが、ちょうどその頃、英国も政治的にダークな局面を迎えていました。カワードの物語は死とか喪失をテーマとしているけれど、コメディで明るい物語。だから現実で抱えている問題を忘れて現実逃避できる。今の英国の状況は制作時とは異なるダークな状況となっているけれど、今もみんなを勇気づけたいという気持ちは変わりませんね」
亡き夫の魂召喚を目指す謎の霊媒師、マダム・アルカティを演じるのは名優ジュディ・デンチ。彼女を起用した理由を監督はこう語る。「もちろんジュディはあの世代で最も偉大な女優ですから。同時にコメディと悲劇を表現できるというところも素晴らしいと思います。どのコメディでも根っこの部分には“哀しみ”があるわけで、“哀しみ”とは笑えるものなんですよね。そしてリアルでなければいけないのですけれども、ジュディは見事に美しく表現してくださいました」。
さらに「ものすごく頭の回転が速いし、本当に素晴らしいコラボレーターであり、プロフェッショナルでもあって。朝も8時から現場にいて、深夜をまわってもどのテイクも素晴らしいのです。一切文句もおっしゃらないし、人の悪口も一切言わないので、そういった意味でも本当にすごい方ですね」とデンチを絶賛する。そのほかインタビューでは、映画化にあたって、原案の戯曲の設定やキャラクターをどのようにアレンジしたかも明かされている。エドワード・ホール監督のインタビュー全文はこちらから!
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