『あいつが上手で下手が僕で』橋本祥平×田中涼星インタビュー

相思相愛!? コントの相方を演じる2人が初対面の思い出を振り返る

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橋本祥平・田中涼星

「ずっと会いたかったんですよ、祥平くん!」って言ってくれて(橋本)

お笑いコンビの悲哀と奮闘を描くオリジナルドラマ『あいつが上手で下手が僕で』の放送がスタートする。“遭難”劇場とも揶揄される寂れたライブハウス〈湘南劇場〉を舞台に、8人の芸人たちが現状から脱出するため、相方や仲間と共に奮闘する姿を描く青春群像劇だ。キャストは、荒牧慶彦、崎山つばさ、和田雅成、鳥越裕貴、陳内将、梅津瑞樹、橋本祥平、田中涼星と、舞台等で活躍する人気の若手俳優たち。

8人で4組のコンビを演じているが、このうち幼馴染で結成した「ロングリード」は、島流しされて湘南劇場にやって来る芸人ばかりの中で、成長するために自ら望んでやってきた珍しいタイプのコンビとなる。今回、ロングリードの2人を演じる橋本祥平田中涼星に、幼馴染ならではの親し気な雰囲気をどのように醸し出したのか、など撮影エピソードを聞いた。

橋本祥平×田中涼星インタビュー動画

『あいつが上手で下手が僕で』
2021年10月6日24時59分より日本テレビにて、10月9日24時58分より読売テレビにて放送開始
(C)カミシモ製作委員会
──お二人が演じた役は、幼馴染でコントのコンビを組んで上を目指す、という設定ですが、そういう間柄をどう思われますか?

橋本:すごくいいなと思いました。実際の芸人さんでもそういった方々はいると思います。お互いを知り尽くしていて何か言わずともわかりあえているとか。僕らも実際に仲がいいのですが、湘南劇場に居る他の芸人さんたちとはまた違う雰囲気があるので、「いいコンビだなあ」と脚本を読んでいて思いました。

田中:幼馴染でずっと一緒に十数年を過ごしてきた仲なので、トークにしてもお互いの性格にしてもわかり合っているからこそできることがたくさんあると思います。何も言わなくても悟れる関係性を演じられることを「やった、最高だな」と思いました。

──お笑いコンビやバンドなどでも、昔から友だちだった、という方々がいますよね。ファンもそういう仲の良さが好きだったりもします。旧知の仲の雰囲気を、短い撮影期間中に作りだすために、何か工夫をされましたか?

橋本:ガッツリ共演したのは初めてなんですよ。どういう風に幼馴染感を出せるかなと思ったんですけど。あの、最初に出会ったのが先輩とご飯に行った時で、涼星も来ていて、第一声で「ずっと会いたかったんですよ、祥平くん!」って言ってくれたんですよ。その時、「こいつ俺と似てるわ」って思って(笑)。そこから俺もなんか好きだなと思っていて。実際に今回のドラマでコンビ役を演じることが決まったとき、よくわからないけれど自信があったんです。涼星とならいける、って。蓋を開けてみたら、幼馴染という設定だったので、そんな雰囲気を出せるんじゃないかなと。年齢は僕が1つ上ですが、まぁほぼ同級生みたいなものですし、お互いに思っていることとかちょっと気を遣う辺りも似ているので、撮影中もお互いの気持ちが分かる瞬間がありましたね。

──田中さんはそのときのことを覚えていらっしゃいますか?

田中:覚えてます、覚えてます! 色々な先輩とご飯に行かせてもらっていた時に、祥平くんの話題が出る確率が高くて、いつか会いたいなと思っていたんです。ネットの番組とかで祥平くんの映像を見たりするわけですよ、それで面白そうな人だな、いつか会いたいな、って。それが叶ったんですよ。あ、祥平くんだ、って思って、もう話しかけに行くしかないなと。「祥平くん、田中涼星と言います。ずっと会いたかったんです」って。そしたら、すっごい笑顔で「おお、 俺も噂で聞いてたよ」って。そのときはあまり話せなかったんですが、俺的には「橋本祥平に会う」という第1目標達成だったんですよ。そこからまた月日がたって、ゲスト出演という形での初共演を経て、今回もっと濃く絡む役になり「もう何も心配いらないな。この人について行けば面白くなるだろう」みたいな安心感と自信がありました(笑)。話し合って役の関係性を作り込んだわけではなくて、勝手に僕の妄想の中で仲良くなるイメージができていたので、本当にその通りになったなあ、と。

幾度となくスベるということを経験してきてハートは強くなりました(田中)

──ドラマの中では、お客さんが数えるほどしかいない中でもコントをして、笑ってもらえないような場面がありますが、演技とはいえ実際にそういう体験をされてみていかがでしたか?

橋本:僕らが演じているロングリードは、ネタに割と自信を持っているので、気持ち的にはまったくスベってる感じはしなかったですね。2人で楽しみながら、「どうだ、面白いでしょう」みたいな。

田中:気にならない感じですね。本当に全力で、大声出して、動いて、汗いっぱいかいて。

橋本:汗かいたね。

田中:だから気にならないんですよね。彼らは自分たちが作ったものを一生懸命やることに信念を持っているので、ウケたかどうかは気にしない感じです。でも、実はちょっと気にしているところもあります。

──もし実際にこういう状況になったら?

橋本:いや、しんどいすよ(笑)。

田中:けっこう普通にスベってきてますけどね。舞台の“日替わりコーナー”とかで 幾度となくスベるということを経験してきてハートは強くなったのですが、表に出さないだけで中ではボロボロになっています(笑)。

橋本:ちょっときついですよね。でもお客さんが2人しかいないなどとわかっていて舞台に出ていったら、逆に吹っ切れて、お客さんではなく涼星を笑わしにいこう、という感じになるかな。

──クランクアップされたとのことですが、ドラマ全体としての魅力はどのような点でしょうか。

橋本:僕らがお笑い芸人さんを演じるということで、どんな面白いことをしてくれるんだろうと思っている方もいると思いますが、面白いことをお届けするというよりもコンビ間の心情など人間ドラマを重視して撮っていると思うんです。個々にスポットがあたる群像劇で、面白いシーンもありますし、心温まるシーンがとにかく多いです。

田中:芸人さんたちがどういう思いを抱きながら漫才やコントを作ってやっているのか、といった部分にフォーカスしています。コンビの問題が色々あったりするんですけど、それに対して個々の熱い思いがあったり。年齢は置いておいて、本当に青春してるな、と思いました。撮影の仕方もあまりドラマで見ないような新しい撮り方だと監督がおっしゃっていたので、その辺りも楽しんで頂けそうです。色々な要素が溢れているので、目が離せないドラマになっていると思います。

──最後に、コントのコンビ役の雰囲気でひとことお願いします。

橋本:はい、ロングリードの湾野岳役の橋本祥平です!

田中:はい、ロングリードの犬飼佑役の田中涼星です!

橋本:あいつが上手で

田中:下手が 僕で。

二人:見てね~!

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(text:中山恵子/photo:小川拓洋)

橋本祥平
橋本祥平
はしもと・しょうへい

1993年12月31日生まれ。神奈川県出身。2013年、舞台「陽炎ペイン」でデビュー。 ミュージカル「薄桜鬼」シリーズ、舞台「刀剣乱舞」義伝 暁の独眼竜、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」、舞台「デュラララ!! 〜円首方足の章〜」など多くの舞台に出演。主演映画『文豪ストレイドッグス BEAST』は2022年1月7日公開予定。

田中涼星
田中涼星
たなか・りょうせい

1994年12月24日生まれ。新潟県出身。2014年の舞台「K -THE STAGE-」で本格的にデビュー後、2015年のミュージカル「テニスの王子様」3rd Seasonにて乾貞治役を演じて注目される。ミュージカル「刀剣乱舞」、MANKAI STAGE『A3!』、舞台「黒子のバスケ」ULTIMATE-BLAZEなど多くの舞台に出演。映画の出演作に『BLOOD-CLUB DOLLS 』シリーズ(2018年〜)がある。