1960年代末から70年代初頭という激動の時代を舞台に、若者たちが何かを変えられると信じていた熱い日々を描いた『マイ・バック・ページ』。現在公開中のこの映画のティーチインが6月8日にアスミック・エース試写室が行われ、キャストの妻夫木聡と松山ケンイチ、山下敦弘監督が登壇。映画を見た同世代の観客らと共に熱いトークを繰り広げた。
・妻夫木聡と松山ケンイチが『マイ・バック・ページ』舞台挨拶で挫折の日々を告白
・『マイ・バック・ページ』ティーチイン、その他の写真
妻夫木は「僕自身、役者をやるまで何もなかった。適当に生きていたし、適当に仕事をして食えるだけのお金を稼げればいいと思っていた。芸能界についても、お金を楽に稼げて女にもモテ、チヤホヤされながら過ごせるんだろうと思っていたけど、いざ入ってみたら何もできず、自分が情けなかった。でも、そういう挫折があったから、今の自分はいる。自分はこんなものじゃないという意識が自然と改革につながった」と自身について語ると、自分から一歩踏み込むことの大切さを強調。
「みなさんも26〜27歳くらいだと思いますが、僕もそれくらいの年の頃、今の状態でいいのかなと思った。(仕事を)辞めることも選択肢としてあると思うが、辞めなくても土日だけ、(新しいことを)ちょっとやってみるとか、そういうのもありかなと思う」と話していた。
一方、山下監督は「嫁から『あなたは何で盛り上がるところを盛り上げないで、重い芝居ばっかり撮るの』と言われた」と告白。『マイ・バック・ページ』に関して、「俺はどこかで面白くしてたまるかみたいな気持ちがあった。この話って、いかようにも面白くできる。でも、したくなかった。できるだけ原作者の川本三郎さんが体験したことを美化も否定もせずに、映画に落とし込みたかった」と本作に込めた思いを語っていた。
また、松山は「今も昔もなぜ学生や日本国民が立ち上がるかと言ったら、日本という国自体が間違った方向に行くかも知れないという危機感があるから。その根本にあるのは、今も昔も変わらず国を愛する気持ちだと思う」と語ると、3.11の大震災についても言及。
「僕自身も土日など、行けるときは車で福島まで瓦礫撤去に行っている。それまでバイトをしていてもすごい不真面目な人間だったが、瓦礫撤去だけは時間を惜しんでやっている。これだけ自分は素早く動けるんだっていうくらい動いているが、それが全然苦にならない」と話すと、若者が自分が何ができるかを考えることは、昔も今も変わらないと思うと語っていた。
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