遺品整理業という仕事を通じて生と死を見つめた感動作『アントキノイノチ』。開催中の第35回モントリオール世界映画祭ワールドコンペティション部門に出品されたこの映画の記者会見が、現地時間8月19日午後にComplexe Desjardinsで行われ、キャストの岡田将生と榮倉奈々、瀬々敬久監督が出席した。
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・『アントキノイノチ』がモントリオール映画祭へ!
最初の挨拶では岡田も榮倉も、「メルシー・ボクー(ありがとうございます)」とフランス語を交えつつ、同映画祭に参加できた喜びを口にした。
続いて行われた質疑応答では、「命と精神的暴力」というテーマを取り上げた理由を聞かれた瀬々監督。9.11同時多発テロによって、復讐から復讐へ繋がる社会になってしまったことや、突如起きた天災・東日本大震災を例に挙げ、「僕たちはこういった厳しい世の中に生きているのだと考えていますが、そういうなかでも、より良く生きたいと常に思っているのが人生。これからは(9.11のように)憎しみの連鎖が繋がるのではなく、命が繋がっていくことをテーマにしたいと思った。この映画はそういうテーマの作品。最終的に描きたかったのは、新しい生が誕生すること、命が次の世代に繋がっていくこと。より良く生きていくにはどうしたらいいかを探っていこうとした作品です」と語った。
キャストの2人は、セリフの多い日本のドラマとは対照的に、あまり言葉で語らない本作に出演した感想について聞かれた。岡田は「今回は心が傷ついた青年役で、言葉に出せない役柄でもあったのでとても苦労しました。僕の表情で伝わっているのかどうか、毎日毎日、監督に確認していました」と難しい役だったことを明かした。
一方、榮倉は「ひとつのエンターテインメントとして、言葉での切り返しが多い、子どもや家族で楽しむコメディドラマは私も大好きです」と前置きしつつ、「言葉や行動がすべてではないと思っています」とキッパリ。「だから、たくさんの人に(気持ちを)伝えるのはすごく難しいと思いましたが、監督やプロデューサーに伝えたいことの芯があったので、それを信じてやっていきたいと思いました」と説明。さらに、「確かに難しかったです」と本音ものぞかせていた。
『アントキノイノチ』は11月19日より全国公開される。
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