北朝鮮強制収容所の過酷な実態描く3Dアニメーション『トゥルーノース』、早くも動画配信開始

#3D#アニメーション#トゥルーノース#レインダンス映画祭#ワルシャワ国際映画祭#北朝鮮#実話#強制収容所#東京国際映画祭#清水ハン栄治

トゥルーノース
(C)2020 sumimasen
トゥルーノース
トゥルーノース

世界の映画祭で絶賛された実話の3Dアニメーション作品

北朝鮮強制収容所の内情と、そこで生き抜く家族と仲間たちの絆を描いた3Dアニメーション『トゥルーノース』が、11月4日より動画配信されることがわかった。

本作品はムビコレでもたびたび取り上げた意欲作で、今年6月4日の公開後もネットを中心に評判を呼び、未だに劇場公開や映画祭出品も続いている。

また、アニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威ある映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネートされたほか、第33回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」にも正式出品され、プチョン国際アニメーション映画祭、レインダンス映画祭、ワルシャワ国際映画祭にも出品。ナッシュビル映画祭では、グランプリを受賞した。

製作期間10年…アニメーションにすることで「ホラー」から脱却

製作のきっかけは、監督・脚本・プロデューサーを務めた清水ハン栄治が、北朝鮮の政治犯強制収容所での体験を記した手記を勧められて読み、衝撃を受けたことにある。そこから清水監督は、10年掛かりで完成させた。

描く内容が強制収容所内の出来事ゆえ、過酷さ、残忍さが際立つホラー映画とならないようにしつつ、一方で、作り話っぽくならないように留意して制作された。

 

衝撃的な内容を描くにあたっては、生々しい実写ではなく、あえて優しいタッチの寓話的なアニメーションで表現したのも、そうしたバランスを取るために必要だったのだと清水監督は言う。

それが奏功し、家族愛や仲間との絆、ユーモア、死にゆく者への慈しみの心情などが存分に表現された。さらに、ひとつの希望を見い出せるラストとすることで、観客も感情移入しやすい映画作品となっている。

北朝鮮強制収容所内の人たちを描く意欲作

本作品は、1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民したパク一家が政治犯強制収容所に送還される物語を描く。過酷な生存競争の中、主人公のヨハンは次第に純粋で優しい心を失い他人を欺く一方、母と妹は人間性を失わずに生きようとする。そんなある日、愛する家族を失ったことをきっかけに、ヨハンは絶望の淵で「生きる」意味を考え始める。やがてヨハンの戦いは他の者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙を上げる。

『トゥルーノース』は、11月4日より動画配信サービスNetflixで配信を開始する。