細野晴臣のデビュー50周年を記念して公開された2019年の『NO SMOKING』から2年。同年5月と6月に行なわれたソロとしては初めてのアメリカ公演を収録したライブ・ドキュメンタリー映画『SAYONARA AMERICA』が11月12日より公開。ムビコレでは、佐渡岳利監督のインタビューを掲載中だ。
・細野晴臣のアメリカ初ライブを記録/『SAYONARA AMERICA』佐渡岳利監督インタビュー
「何らかの形でコロナ以降の現在の視点も入れたいというのは、細野さんも僕も同じでした」
ライブ自体はコロナ禍以前に行われたものだが、本作には2021年に新たに撮影された映像とモノローグが加えられている。その意図を佐渡監督は、「何らかの形でコロナ以降の現在の視点も入れたいというのは、細野さんも僕も同じでした。そんな中、細野さんからギターを爪弾く映像とモノローグをご自身で撮ってくださったんです。これを入れることで、2年前と現在で世界が大きく変わってしまったことを明確に示すことができました」と話した。
ポスターなどにも入っている「In Memories of No-Masking World(マスクがなかった世界を偲んで)」という言葉も、細野が考えたものだと言う。
NHKエンタープライズのエグゼクティブ・プロデューサーであり、これまでNHKで『細野晴臣イエローマジックショー』(2001/2019/2021年)や『スコラ 坂本龍一 音楽の学校』(2010~2014年)といった番組も担当してきた佐渡監督は、2000年に細野と撮影で出会ってからすでに20年以上の付き合い。
「1966年生まれなので、完全にYMO世代です。最初にYMOに出会ったのは小学6年生で、中学からは本格的に聴き始めて、そこから細野さんの提供した歌謡曲を聴いたり、はっぴいえんどまで遡って聴いたりしていきました。ですから“どてらYMO”として知られる『イエローマジックショー』での3人の共演は感慨深かったですね。その場に立ち会えたことが幸せでした」。
最後に、本作の見どころについて佐渡監督は、「アメリカのオーディエンスが細野さんの音楽をどう聴いているのか、彼らの視点が非常に新鮮ですので、注目していただきたいと思います。また、コロナのパンデミックを経てエンターテインメントの世界は大きく変容したわけですが、コロナ以降のライブは、どうなるのか……そんなことも含めて、これからの音楽の楽しみ方を考えるきっかけになればと思います」と話してくれた。
インタビューでは、細野と相談しつつ拘った映画の中での演出や、LA公演の「とてもホット」な現場の雰囲気についても語られている。佐渡岳利監督のインタビュー全文はこちらから。
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