『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』フランソワ・ジラール監督インタビュー「音楽はすべての言語の中でもっともパワフルなもの」
#クライヴ・オーウェン#ティム・ロス#グレン・グールドをめぐる32章#ヒューマンドラマ#ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声#ホロコースト#ヨーヨー・マ インスパイアド・バイ・バッハ サウンド・オブ・ザ・カルチェリ#レッド・バイオリン#中谷美紀#井上靖#天才ヴァイオリニストと消えた旋律
「今回は音楽映画ではなく、2人の兄弟のヒューマンドラマ」
『海の上のピアニスト』ティム・ロスと『クローサー』クライヴ・オーウェン共演、フランソワ・ジラール監督の『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』が12月3日より全国で上映中だ。このたびジラール監督のインタビュー映像が公開された。
・35年前、忽然と姿を消した天才ヴァイオリニストの弟を探す兄が辿り着いた衝撃の真実とは──?
そんなジラール監督はまず本作品のストーリーを解説してくれた。
「主人公のマーティンとドヴィドルは悲劇的に離れ離れになるが、35年後に再会する。でもドヴィドルはある日突然姿を消し、マーティンを失望させる。ドヴィドルに何があったのか理解できないマーティンは、愛、憤り、怒りなどが混ざった複雑な思いを体験する。観客もマーティンと一緒に何が起こったかを探求する」
ミュージックビデオからキャリアをスタートさせたジラール監督だが、日本の演劇界とも接点があり、井上靖の小説「猟銃」を中谷美紀主演で舞台化した経歴もある。
『グレン・グールドをめぐる32章』『レッド・バイオリン』 『ヨーヨー・マ インスパイアド・バイ・バッハ サウンド・オブ・ザ・カルチェリ』『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』と、映画監督としても“音楽”をテーマにした作品を多く手掛けており、音楽映画の巨匠と言っても過言ではない存在だ。
そんなキャリアの中で、なぜ本作品を手掛けたのかについて問うと、次のように語った。
「どうやって作品を選ぶかは難しい質問だね。自分の元にやってくるタイミングも大きい要素だ。僕は性格劇であるこの物語に感動した。この映画が重要だと感じた。だから製作のラントスと協力してこの作品を実現させようと頑張った」
ジラール監督にとって音楽とは“一つの言語”なのだという。
「しかもすべての言語のなかで、おそらく最もパワフルなもの。翻訳しなくても国境を越えて伝わるもの。人々が会するための、他の媒体では提供できない場所を与えてくれて、介在するものなしに、心に話しかけるもの。言葉では表現できないものも伝えられるのが音楽だ」
しかし本作品では“音楽”はあくまでもテーマの一つであり、“音楽映画”ではなくヒューマンドラマだと語る。
「この物語に取り組む上で、音楽は非常に重要な手段ではあるけれど、僕にとっては音楽の映画ではなかった。これは2人の兄弟の物語であり、その下に流れているホロコーストと消え去った者たちの追悼という要素が徐々に姿を現してくる。それを支え続けるのが音楽だから」
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本作品の舞台は、第二次世界大戦下のロンドン。9歳のマーティンの家に、ポーランド系ユダヤ人で類まれなヴァイオリンの才能を持つ同い年のドヴィドルが引っ越してきた。宗教の壁を乗り越え2人は兄弟のように仲睦まじく育つ。しかし、ドヴィドルが21歳を迎えて開催された華々しいデビューコンサートの当日、ドヴィドルは忽然と姿を消した……。
35年の月日を経て、マーティンはドヴィドルを探す旅に出る。真相を追求するマーティンに待ち受ける衝撃の真実とは?
ブルッフ、バッハ、ベートーヴェン、パガニーニなどのクラシック楽曲とともに紡ぐハワード・ショアの音楽、そして21世紀を代表するヴァイオリニスト、レイ・チェンによる演奏。美しい旋律に導かれてロンドン、ワルシャワ、ニューヨークを巡る、極上の音楽ミステリーとなっている。
『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』は、12月3日より全国で上映中だ。
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