バルセロナ五輪・女子マラソン銀の有森裕子「松野明美との再会を避けていた」
江川卓と西本聖、有森裕子と松野明美といったライバル関係にあったスポーツ選手同士が再会し、語り合う姿を通して当時の真実に迫るスポーツドキュメンタリー『劇場版 ライバル伝説〜光と影〜』。この映画が6月16日に公開となり、ヒューマントラストシネマ有楽町で行われた初日舞台挨拶に有森と菊野浩樹監督が登壇した。
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1992年のバルセロナ五輪で、女子マラソン日本代表の最後の一枠をめぐり注目を浴びた有森と松野。発表前日に松野が「私を選んでください」と会見を開き訴えたことを覚えている人も多いだろう。結局、選ばれたのは有森で見事銀メダルを獲得したが、バルセロナ五輪以降2人は、この作品まで、1度も言葉を交わすことがなく過ごしてきた。
そのことについて有森は「松野さんとは、バルセロナオリンピックの選考問題から19年間、お会いする機会に恵まれませんでした。本当は、何回かテレビ番組などの企画で『再会』を求められましたが、いつも私がお断りをしていたのです」と告白。
ついで、今回の再会について「約20年の月日が流れたタイミングで松野さんとの再会をオファーされ、今までのように自分が松野さんとの再会から逃げているような態度をとらず、感情的にならずにしっかりと話せるのではないかと思い、出演することにしました」と振り返った。
この日はライバル・松野からも電報が届き、そこには「私なら金を獲れたと思っています」と記されていた。これに関して有森は「彼女が金を獲れたと思っている気持ちは生涯変わらないし、そんなに人の思いも変わるとは思いません。しかし、今回の松野さんとの再会をきっかけにして、お互いがお互いの存在を良かったと思え、再会をはたせたことも良かったと思えるようになりたいです」と述べていた。
一方、菊野監督は「撮影を進めていくなかで、有森さんと松野さんの関係は非常に冷えており、本当にお互いを避けあっているという噂ばかりを耳にしました。なんとかお2人に再会していただきたく、有森さんにお手紙をかいてお願いするなど粘って、願いが叶いました」と話すと、「心に棘が刺さって、触れられたくないことは誰にでもあることだと思います。その触れられたくない部分に触れられ、撮影されることは、ものすごい苦痛でもあったと思います。そんな思いをされながらも、映像を撮らせていただいたことに本当に感謝してます」と話した。
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