衆議院議員・小川淳也を17年にわたり追ったドキュメンタリー『なぜ君は総理大臣になれないのか』の続編『香川1区』が12月24日より都内先行公開、2022年1月21日より全国順次公開される。ムビコレでは、大島新監督のインタビューを掲載中だ。
・『なぜ君』公開から1年余りで制作を決意/『香川1区』大島新監督インタビュー
自民党の強さは一体何に支えられているのか?
昨年6月に公開され、ドキュメンタリー映画としては異例の大ヒットとなった『なぜ君は総理大臣になれないのか』。地盤・看板・カバンなし、選挙に弱い小川衆議院議員(立憲民主党)の、初出馬からの17年を追った作品で、観客動員35000人超、キネマ旬報ベスト・テンの文化映画第1位を受賞するなど、大きな話題となった。その続編となるのが本作『香川1区』だ。小川議員の選挙区をタイトルにした本作は、第49回衆議院議員総選挙に焦点を当てたもので、日本の政治の今後を問う作品となる。
「2020年の6月に『なぜ君』が公開されまして、おかげさまで思いもしなかった反響をいただいて、『続編はないんですか?』と言っていただいたんです。私は、作品になるかどうかは分からないにしても小川さんのウォッチは続けよう、折に触れ撮影は続けようと思ってましたし、次の機会があるとしたら4~5年のスパン、あるいは場合によっては10年とか、半ば冗談半ば本気で『次回作は「まさか君が総理大臣になるとは」っていうタイトルとかでできたら面白いよね』なんて話はしてた」と話す大島監督。
その気持ちが変わったのは、2020年秋の菅内閣の誕生と、それによって(小川議員と同じ香川1区の自民党候補の)平井卓也氏がデジタル改革担当大臣に就任したときだったと言う。「これはちょっと大きな出来事だったんですよね、小川さんにとって」と大島監督は話し、「お相手が内閣の看板大臣になったわけで、次の選挙が彼にとって、大きな意味を持つ。『なぜ君』だけが理由じゃないと思うんですけど、小川さんの知名度も上がってきている中で、香川1区は注目選挙区になると思って、選挙に焦点を当てたドキュメンタリーを考えたんです」と、制作を急いだ理由をこう語った。
今回は、小川議員の選挙活動だけではなく、平井議員を大島監督が取材する場面も。「今回は短い時間ですけど、平井さんご本人に取材受けてもらいました。平井さんの支持者の理屈をより知りたい気持ちがあるんです」。なぜ平井議員に投票するのか、その理由を知りたいというのが大きな狙いだったようだ。
さらに大島監督はこう話す。「投票率の問題もあります。安倍政権になってから、国政選挙で6回連続で自民党が勝っていますが、絶対得票率でいうと二十数%なんですよね。有権者の4分の1が信任してることで、最強政権と言われている現実も不思議というか。政治って何なんだろう?とますます思ってしまうんです。だから今回の選挙では、軸は小川さんなんですけれども、相手方の強さは一体何に支えられているのか、そういったことも描きたいと思ってます。私も知りたいので」。
前作との違いを、「今回は小川淳也さんという人物ドキュメンタリーの要素に相手方の要素も加わったという感じ」と話してくれた大島監督。インタビューでは、大島監督がどのような立ち位置で本作を制作しているかについてや、『香川1区』の後も小川議員を追い続けるのかについてもたっぷりと話している。大島新監督のインタビュー全文はこちらから。
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