『冷たい熱帯魚』『恋の罪』の園子温監督最新作『希望の国』が、北米最大の映画祭でアカデミー賞前哨戦と言われる第37回トロント国際映画祭のコンテンポラリー・ワールドシネマ部門に正式出品されることがわかった。
ベルリン、ヴェネチア、カンヌといった世界的な映画祭の常連で、『ヒミズ』では主演の2人に第68回ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)をもたらした園監督の新作だけに、トロントでどういう評価を受けるかは気になるところだ。
同作はまた、10月4日より開催される第17回釜山国際映画祭のアジア映画の窓部門にも正式出品される。園監督はどちらの映画祭にも参加し、登壇予定だという。
『希望の国』は東日本大震災から数年後の日本のとある町が舞台。小野家と鈴木家は隣り合い、つつましくも幸せに暮らしていたが、ある日起こった大震災と、それに続く原発事故が、生活を一変させてしまう。原発から半径20キロ圏内が警戒区域に指定されたことで、鈴木家は強制的に家を追われるが、小野家は道路ひとつ隔てただけで避難区域外となる。そうしたなか巻き起こる、様々なドラマが綴られていく。
釜山国際映画祭ディレクターのキム・ジソクは「3.11の黙示録。でも、希望は残っている。園子温監督が伝える偉大なる生命の賛美だ」とコメント。『希望の国』は10月20日より新宿ピカデリーほかにて全国公開となる。
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