『桜並木の満開の下に』の完成披露試写会が、4月4日にヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、主演の臼田あさ美と舩橋淳監督が登壇。映画の見どころなどを語った。
同作は、震災後の茨城県日立市を舞台に、突然の事故で最愛の夫を失いながらも悲しみを乗り越えようとするヒロインの心の葛藤を美しい桜並木を背景に描いたラブストーリーで、第63回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門でも上映。舩橋監督は『BIG RIVER』(06年)、『谷中暮色』(09年)、『フタバから遠く離れて』(12年)に続き、同映画祭での4作品連続上映という快挙を成し遂げている。
ファッションモデルから女優に転身、『恋空』(07年)、『色即ぜねれいしょん』(09年)、『東京プレイボーイクラブ』(12年)などでの演技が高い評価を受けている臼田は「桜が散るころですが、上映を迎えられて嬉しい」と挨拶。「監督が順撮りをしてくれたので、撮影しながら役づくりをしていった」と振り返った。
その役作りについては「自分と役は違うので、自分に置き換えて考えるというということはあまりしない」ともコメント。ただ、共感するところは大きかったようで「誰にでも、ある日突然、悲しいことは起こりうるのだということを感じました。震災や日々の悲しいニュース報道を見ても、他人事とは思えなくなった」とも話していた。
完成作については「画は派手ではないけれど、心の機微をじっくり見つめていく作品。50〜60年代にそのような日本映画が量産されていたが、最近少ないのでやってみたかった。震災があって、自分の足元を見つめたり、日々の生活を振り返ることがあってもいい時期かな」と舩橋監督。臼田は「今っぽくない日本映画なので、大事に大事に見ていただけたら嬉しいです」と語った。
『桜並木の満開の下に』は4月13日よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開される。
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