今オスカーに一番近い作品『ベルファスト』ケネス・ブラナー監督が故郷と自身の幼少期への思い込めた本作を語る

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(C)2021 Focus Features, LLC.

激動の時代にゆれる「家族」と「故郷」を描いた笑いあり、涙ありの人生賛歌『ベルファスト』が325日より全国公開される。今回、製作・監督・脚本を務めたケネス・ブラナーのインタビュー映像が公開された。

・アカデミー賞7部門ノミネートの『ベルファスト』、コロナ禍の“今”にも通ずる激動の時代を前向きに生きる人々を描く

少年バディを演じたジュード・ヒルを「すばらしい仕事をしてくれた」と絶賛

本作品は、俳優・監督・演出家として映画や舞台の最前線で活躍し続けるケネス・ブラナーが、自身の幼少期を投影した自伝的作品。先日行われた第94回アカデミー賞ノミネート発表では、作品賞、監督賞、助演女優賞、助演男優賞、脚本賞、主題歌賞、音響賞の7部門でノミネートを果たし、今オスカーに一番近い作品の一つとして注目を集めている。

今回、公開されたのは、そんなブラナー監督のインタビュー映像だ。

「ベルファストは物語に事欠かない街だ。特に1960年代の後半のベルファストは街の歴史上最も過酷な激動の日々だった」と語り始めるブラナー監督。「あの日々はずっと僕の頭にあって僕らが故郷で過ごしたあの時代の物語をいつか脚本にしようと思っていた」と長年、自身の幼少期の思い出を映画にしようと機会を探っていたと話す。

そんな中、コロナ渦というパンデミックが起こる。世界中の人が、過激さは違えどベルファストでの激動の日々と重なるような、一瞬で世界が変わっていく様を目の当たりにしていると感じたブラナー監督は、最初のロックダウンが始まった2020年頃に脚本を書き始めた。いま、世界中の人々が、変わりゆく世界に立ち向かう日々を生きる中、劇中でも、過酷な時代の変化に戸惑い、苦悩しながらも前を向き、未来へと突き進む家族の物語が描かれている。

ブラナー監督は今回、故郷と自身の幼少期の思いを込めた本作品を手掛けるにあたり、アイルランド出身のキャスティングにこだわった。

「ジェイミー・ドーナンはベルファストの出身でホーリーウッドという街に住んでいた。祖父役のキアラン・ハインズは僕の実家からたった1キロ半の場所に住んでいたんだ」と驚きの事実を語っている。

カトリーナ・バルフやジュディ・デンチにもアイルランドの血が流れており、「この映画では出演した俳優たちがとても前向きなエネルギーを加えてくれたと思う。彼らは“家族”だったね」と役者陣へ絶大な信頼を寄せていた。特に、自身を投影させた少年バディを演じたジュード・ヒルに対しては「すばらしい仕事をしてくれた。僕らがジュードを見つけ出した瞬間、彼の才能はまさに開花したんだ」と絶賛。

最後にブラナー監督は、「この作品を見て、がんばる彼らの姿に力をもらってほしい」と観客へメッセージを送った。

9歳の少年バディの目線を通して描かれるモノクロの世界観と、抗うことのできない変化に戸惑い葛藤しながらも、決してうつ向くことなく、笑顔とユーモアを持って未来へと一歩踏み出す人々の力強さを描いた本作品に、感動と勇気をもらえそうな本作。ぜひ、劇場でそのエネルギーを体感しよう。

『ベルファスト』は325日より全国公開される。