1993年にカンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞した『さらば、我が愛 覇王別姫』から15年を経て、中国の巨匠チェン・カイコー監督が再び京劇をテーマに完成させた『花の生涯 〜梅蘭芳〜』。京劇を芸術の域にまで高めた偉大な俳優の栄光と孤独を格調高く綴った感動作だ。21日にこの作品の記者会見が行われ、監督とキャストが映画について語った。
「実在の人物である梅蘭芳(メイランファン)は、大恐慌時代のアメリカでの公演も成功させ、中国で初めて名声を得た人物。けれど、その成功を描くのが目的ではなかった」と監督。「自分自身の愛情さえも犠牲にして、人々のために生きた人物。表面的には穏やかな君子ですが、内面的にはとても強い人で、私はいつも自分に問いかけていました。彼は英雄だったのか、普通の人だったのか、と」。
梅蘭芳の理解者でもある日本軍少佐を、安藤政信が演じた。彼は、「久々の映画出演でチェン・カイコー監督の作品に出演できたことはとてもラッキー。日本だけで表現するよりも、海外で色々な監督と接してみたいと思い、出演しました。今回は、(デビュー作『キッズ・リターン』の)北野武監督の下でスタートしたときと同じくらいの気持ちで演じました」と語った。
梅蘭芳は、京劇の女形として絶大なる人気を博した人物だが、この日は、日本の女形の若手No.1である早乙女太一がゲスト出演し、監督と若き日の梅蘭芳を演じたユィ・シャオチュン、そして安藤に花束を贈呈した。
「今まで、芸術に国境はないという言葉がいまひとつ実感できなかったけれど、京劇の女形の踊りを見て、同じなんだと実感しました。映画は、大人の世界を描いていてとても美しい作品です。踊りのシーンでは指の複雑な動きに目がいきました」と早乙女。監督はスーツ姿の彼を見て、「今日はメイクアップしていないんですね」と残念がっていた。さらに彼の踊りの映像を見たという監督は、「舞台での彼は本当に美しい。うなじのあたりなんかみていると、男なのか女なのか分からなくなるね、とユィ・シャオチュンとも話していたんですよ」と絶賛していた。
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