大衆演劇だった京劇を、芸術の域にまで高めた伝説的な京劇の女形俳優・梅蘭芳(メイ・ランファン)。その半生を描いた『花の生涯 〜梅蘭芳〜』に出演したレオン・ライとチャン・ツィイー、安藤政信が都内で舞台挨拶を行った。
2月5日〜15日にかけて開催された第59回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門にも出品された本作。レオン・ライ、チャン・ツィイー、安藤政信もレッドカーペットに登場したが、そんなベルリンでの思い出についてツィイーは、「10年前、デビュー作の『初恋のきた道』で初めてベルリン映画祭に参加したので、今回は不思議な感じがしました。ベルリンの思い出は、とにかく寒くて寒くて……」と笑っていた。レオン・ライも同じく10年前にベルリン映画祭に参加。「『ラブソング』で参加したのですが、やはりとても寒かった記憶があります。今回は、飛行機の中で安藤さんと一緒に、おいしいドイツビールで乾杯したのが良き思い出です」と語っていた。一方、海外の映画祭にコンペがらみで参加したのは初めてという安藤。この作品でライやツィイー、そしてチェン・カイコー監督に出会えたことになにより感謝しているという彼は、「とても感動し、高揚感を感じながらベルリンに滞在していました」と振り返った。
劇中で流暢な中国語を駆使している安藤だが、「吹き替えではなく自分の声で伝えたいと思ったので、すごく努力しました」と話していた。そんな彼についてライは「彼は本当の芸術家。感服しています」と絶賛。韓国で映画撮影をしたことがあるライは、言葉の分からない現場で戸惑う安藤の気持ちがよく分かったそうで、一緒に食事をしたりして気づかったようだ。鈴木清順監督の『オペレッタ狸御殿』で日本での撮影を経験したツィイーも、「彼の気持ちが分かる」とコメント。彼女は映画を見た後で、安藤に「素晴らしかった」と賛辞を贈ったそうで、「これを機に、引き続き中国語を頑張ってもらい、また共演できれば」と期待を寄せた。
最後にツィイーは、先日のアカデミー賞で日本映画が外国語映画賞(『おくりびと』)と短編アニメーション賞(『つみきのいえ』)での2部門受賞に輝いたことについて、「この場を借りて、日本の方々におめでとうございますと申し上げたいと思います。なんて素晴らしいことだろうと思いました。本当におめでとうございます」と祝福の言葉を贈っていた。
『花の生涯 〜梅蘭芳〜』は、3月7日より新宿ピカデリーほかにて全国公開される。
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