貴重な映像とインタビュー、本人の肉声から極めてパーソナルな部分を紐解く
名声に隠された女優オードリー・ヘプバーンの素顔に迫るドキュメンタリー映画『オードリー・ヘプバーン』が、5月6日より劇場公開される。今回、ヘレナ・コーン監督が今この時代にオードリーの人生を描いた思いを明かす特別映像が公開された。
永遠の妖精と呼ばれ、美の概念を変えた革新的な存在でスターとしての名声を得たオードリー。世界中から「愛された」彼女は一方、実生活では愛に恵まれなかった。多くの悲しみと孤独を抱えながらも、「人生の最後に、自分のことを好きになれた」と語る彼女の本当の姿とは? 今解き明かされるオードリーの生き方は、きっと、あなただけの幸せを見つけてくれる。
本作品では、過去の貴重なアーカイブ映像をふんだんに盛り込み、近親者によって語られるインタビュー、そして滅多に聞くことができない本人の肉声によるインタビューによって、名声に隠された彼女の本当の姿を描き出す。ひとりの女性として、人間として、最後まで人々に愛を説き続けたオードリー。生涯をかけて「愛すること」を信じ続け、本当の幸せをつかんだその人生が今、紐解かれる。
監督を務めたのは、若干27歳という若さのヘレナ・コーン。多才な彼女は、これまでにも短編劇映画や伝説的なカーデザイナーであるフランク・ステファンソンを描いた長編ドキュメンタリー映画を手掛けたほか、ミュージシャンとしてソロシングルも発表してきた。オードリーの死後に生まれ、22年を生きる彼女がオードリーの生き方に見出したメッセージとは?
今回公開された映像の冒頭、ヘレナはオードリーについて「私の知る限り、誰よりも弱さと強さを体現した人です。彼女は生涯で多くの困難に直面しましたが、愛と尊厳と気品で乗り越えました」と語る。オードリーのファンだった母の影響でその存在を知った彼女にとって、オードリーは子どもの頃からの“英雄”だったと明かしている。それは、恐怖や憎しみに溢れる世界で愛の重要性のために立ち上がり、今でも何らかの形で戦い続けているからだ。
ヘレナはこの映画を作るにあたり、美しさやファッションによって記憶されるオードリーではなく、過酷な過去を乗り越え、それ故に人生を賭して世界に愛を説き続けた本当の姿を知ってほしいとの思いを込めたそう。そのために女優時代の仲間だけでなく、オードリーの息子や孫、家族ぐるみの付き合いをしていた友人らから、その極めてパーソナルな部分を紐解いていった。
これまで多くを語られてこなかった戦時下での辛く苦しい子ども時代、父の裏切りと両親の離婚、2度にわたる結婚生活の破綻、世界中から称賛されていた美貌にすら奢りを持たず、コンプレックスを抱えていたことを明す不安げな声……劇中では“ひとりの人間”としてのオードリーの姿を見ることができる。
ヘレナは「彼女はその人生の中で追ったトラウマを、美しく愛に満ちた方法で乗り越えました。私たちはこれを見習うべきです。人生はトラウマや苦難で決まるものじゃない。乗り越えれば美しいものに変えられるのです」とオードリーの生き方そのものが我々への大きなメッセージだと明かしている。その言葉とともに映し出されるのは、ユニセフ親善大使として、自らの名声を武器に世界中の子どもたちに愛を注いだオードリーの姿だ。
『オードリー・ヘプバーン』は5月6日より劇場公開される。
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