ジブリの鈴木敏夫P、高齢者が死の選択迫られるこの役は倍賞千恵子さん以外考えられない

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倍賞千恵子
(C)2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee

“『ハウルの動く城』ソフィーを鈴木プロデューサーが絶賛

75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門正式出品、倍賞千恵子主演『PLAN 75』が617日より全国公開される。今回、数多くのヒット作を手がけたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーからコメントが到着した。

・75歳以上に“死の選択肢” 衝撃テーマの日本映画『PLAN 75』がカンヌ映画祭を揺さぶる

倍賞の演技に監督もスタッフも虜に「手の先から足の先までで完璧」

脚本・監督は、本作が長編初監督作品ながら、第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門への正式出品という快挙を成し遂げた、早川千絵。超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自ら生死を選択できる制度“プラン75”が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作だ。

主人公・角谷ミチを演じるのは倍賞千恵子。倍賞は脚本を読み、「最初は“酷い話”だと思ったのですが、物語の終盤でミチがある選択をする姿が描かれており、そこにものすごく心打たれ、惹かれて…それだけで出演を即決しました」と、ミチを演じる覚悟を決めたと振り返る。

倍賞は1961年に映画デビュー、俳優としてのキャリアは60年を超え、80歳を迎えた今年9年ぶりの主演作が公開されるなど、精力的に活動中。これまで数多くの作品でその存在感を遺憾なく発揮してきたが、印象深い役といえば、映画『男はつらいよ』シリーズの渥美清演じる主人公・車寅次郎の妹さくら役であろう。

気立てがよく、困っている人を見かけると、すぐに手を差し伸べる優しさと愛情深さを備えたまさにハマり役。そんな市井の人を演じたら右に出る者なしの倍賞は今回、勤勉に慎ましく生きてきたが、失職をきっかけに社会での居場所さえも失いかけ、“プラン75”の申請を検討し始めるという役どころを繊細に表現。

それでもなお、自分で立っていたいと自身を追い込んでいく姿は、公に助けを求めにくい現代社会を投影しているかのようだ。早川監督は、倍賞の起用理由を「見た人がかわいそうだと思うような主人公ではなく、見た人が自然と好きになり、感情移入してしまうような主人公にしたかった。そのためにも、凛とした美しさや人間としての魅力を備えた方に演じてもらいたかったんです。それで真っ先に倍賞さんを思い浮かべました」と語る。

さらに、「お芝居は、手の先から足の先までで完璧でした。フランスの編集スタッフやサウンドエンジニアも、“なんてエレガントなんだ”と。まさに誰もがミチを好きになっていました。同時に人間的にも素晴らしい方です。倍賞さんはスタッフの名前を、アシスタントの名前まで全部覚えていらっしゃるんですよ。人間としても倍賞さんから多くを学ばせてもらいました」とリスペクトを込めて撮影を振り返っている。

さらに今回、スタジオジブリの鈴木敏夫からコメントが到着。鈴木は、「倍賞千恵子さん、ご無沙汰しています。お元気そうですね。映画を見てそう思いました。倍賞さんというと、『寅さん』の妹のさくらさん。でも、ジブリにとっては、『ハウルの動く城』のソフィーです。75歳を超えると、死を選択できる。この配役は、倍賞さんを置いて、他に考えられない。最後まで、倍賞さんの一挙手一投足を見守りました。この映画のヒットを願っています」と倍賞の演技を絶賛した。

PLAN 75』は617日より全国公開。

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