緊急上映『掟の門』『続・掟の門』
人生をコロナに翻弄される人々を描いた群像劇『掟の門』と『続・掟の門』が7月9日から15日に池袋シネマ・ロサで緊急上映される。このたび、予告編が公開された。
『掟の門』は、コロナ禍に見舞われた2020〜21年、看護学校生のさやかと演劇青年・和也の若い男女を軸に展開される人間模様を描く。
橘さやかは、地方の親元を離れ東京の病院で看護師長を務めている叔母の関佳子の家から看護学校に通っていた。
しかし、コロナ禍で佳子の病院でクラスターが発生、罹患した佳子は死去。さやかはコロナを怖がる「限局性恐怖症」になってしまう。
さやかは、佳子の同僚・里見健三やクラスターを取材する新聞記者・加藤真希子、佳子の高校生の娘・聖子らと関わりながら、看護師になることに疑問を抱き、この世の不条理を憂う。
ある日さやかは、偶然出会った演劇青年・堤和也に恋心を抱くようになる。和也は自分の父親が古関裕太という男の妻とコロナ不倫をしていたことを知り、もみ合いの末、裕太を殺害してしまう……。
『続・掟の門』は、『掟の門』から2ヵ月後、コロナ感染で東京五輪出場を断念した美紀と、前作で夫を殺害されたまゆみの2人の女性を軸に、前作の登場人物たちのその後を描いた正統続編。
看護師になった橘さやかは、同僚や先輩医師らに囲まれ多忙な日々を送っていた。 美紀はまゆみから和也の父親・友和と不倫していたことを告げられる。また美紀はアーチリーの東京五輪代表選手の夢をコロナで絶ちきられたばかり。世の中の不条理さに翻弄された2人は共感し合う。まゆみは留置場にいる和也と面会、真実を明かし、美紀は元彼の殺人事件で刑事の大上憲二と会う……。
本作品はコロナが収束するまでシリーズ化の予定で、今のところ3部作を考えているという。
元新聞記者としての自負が疼く
『掟の門』を手掛けた伊藤徳裕監督は、未曾有のコロナ禍のもと、元新聞記者として「今やるべきことはこの空気感を映像として記録することだ」という一種の使命感と、「医療従事者の方々にエールを送りたい」という感謝の念から劇映画の製作を決めたという。
一気に脚本を書き上げ、キャスティングを後回しにヒロイン役の岡部莉子と同年8月に真夏の井の頭公園でクランクイン。スタッフは伊藤監督だけで、SONY製スマホのみを使い、憑かれたように全編を撮り切った。
『続・掟の門』は前作を上回る総勢30人のキャストを集めて撮影。スタッフは前作同様伊藤のみで行い、撮影機材はスマホではなくSONYのシネマカメラFX3を使用した。
前作からの登場人物がほぼ全員出演、物語もリンクしており、2作品連続して鑑賞すると楽しさが倍増する仕掛けになっている。
『掟の門』と『続・掟の門』が7月9日から15日に池袋シネマ・ロサで緊急上映される。
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