少年同士の恋と青春! 喜びも偏見も描いたイギリス発LGBTQ+ドラマ
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話題のBL系コミック『HEARTSTOPPER ハートストッパー』が実写化
話題となったイギリス発の青春BL系コミックであり、LGBTQ+をテーマにした『HEARTSTOPPER ハートストッパー』がNETFLIXで実写ドラマ化されて配信中だ。
『HEARTSTOPPER ハートストッパー』はアリス・オズマン原作による売り上げ累計100万部を超えた、世界23ヵ国以上で翻訳されるベストセラーコミックス。クセのないイラストでコマ割りもシンプルで、日本のコミックに慣れた人でも読みやすい内容だ。
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男の子同士が惹かれ合い距離を縮めていくようすに胸キュン
物語の主人公はイギリスの男子校に通うチャーリー。大人しいタイプの彼はゲイであることをカミングアウトしているが、そのことで酷いイジメを受けた過去を持っている。ある日、同じ学校に通う一学年上のニックと偶然隣の席になり、すぐに心を許せる友達になる。ニックはラグビー部に所属する優しくて明るいスポーツマンで、チャーリーは瞬く間に惹かれていく。自分にチャンスがあるわけ無いと思っていたチャーリーだったが、ストレートのはずのニックも思いがけずチャーリーに好意を抱くようになる。
ストーリーもシンプルでボーイミーツボーイのラブストーリーが展開。実写ドラマでもそのまま描かれ、キャラクターも原作のイメージ通りだ。チャーリーは地味系で繊細そうな男の子、ニックは体格も良くてカッコいい。そんな対照的な2人が距離を縮めていくようすに恋に落ちていく高揚感が感じられてキュンキュンとなる。そしてキュンとなるからこそチャーリーが叶わぬ恋と思っている姿が切ないし、そんな彼の切なさを吹き飛ばしてくれるニックの王子様のような行動にまたもやキュンとなる。原作にも出てくる葉っぱや花が舞う演出もかわいい。
いじめ、偏見、性的指向の悩みも描きつつ爽やかさを失わないのが魅力
でも、この作品がいいのは甘酸っぱいだけで終わらせてないところ。チャーリーがゲイであるがゆえのイジメが描かれ、ニックは自分の性的指向について悩みだす。親へのカミングアウトという問題もニックには大きい。それでも、鬱々するばかりじゃなく、青春ドラマの爽やかさは失わずに繰り広げられていく。チャーリーは芯が強く、ニックはデリケートなこれまでとは違った一面を見せるのもいい。
さらに彼ら2人だけでなくレズビアンの友人や、好きになってしまった男女の友だちなど、いろんな悩める青春の姿がそれぞれ胸に迫る。これからシーズン2、シーズン3の制作も決定しているのでさらに深く広がりを見せてくれるはずだ。
学校はもちろん家庭内においても依然として存在し、当事者を苦しめる偏見が浮き彫りにされ、一方でお互いをそのまま受け入れる多様性も描かれる。今、過渡期とも言える時代の流れが写し出されたドラマと言えるだろう。まずは固く考えずにキュンとなる瞬間がいっぱい詰まった青春ストーリーを感じて欲しい。(文:牧島史佳/BLライター)
Netflixシリーズ『HEARTSTOPPER ハートストッパー』独占配信中。
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