「まことちゃん」「漂流教室」「おろち」といった作品で人気のマンガ家・楳図かずおが77歳にして映画監督デビューをはたした『マザー』。この映画の公開に先駆け、大阪・梅田ロフトで劇中の衣装や小道具、映画の場面パネルなどを展示する「マザー展」が開催中だが(〜9/16迄。入場無料)、8月27日夕方にこの会場に、楳図監督と主演の片岡愛之助が姿を現した。
本作は、マンガ家・楳図かずお(片岡愛之助)のもとに、ある出版社から彼の生い立ちを本にしたいという話が舞い込むところから幕を開ける。担当編集者・若草さくら(舞羽美海)は取材をするうちに、楳図独特の創作の原点には、亡くなった母・イチエ(真行寺君枝)の影響が大きいことを知るが、生い立ちの調査を続けるうちに、さくらの周りで次々に怪奇現象が起こるというもの。
主人公の楳図役を演じた片岡は、会場に展示されている楳図監督が描き下した絵コンテを見ながら「撮影現場では(監督から)『台本を読んで愛之助さんが感じたとおりに演じてください』と言われましたが、微妙な表情など難しい部分は、先生のお描きになった絵コンテをみせていただいたことで、演出意図が非常にわかりやすくなりました」と撮影を振り返った。
そんな片岡の演技に楳図監督は「非常にテキパキやってもらってよかったです。今回の映画はあり得ないお話ですが、リアルなお芝居をされても見ている人がわからないところもあると思うので、メリハリのついた演技をしてくださるのは、歌舞伎役者さんならではと思いました」と語った。
また、取材陣から初監督作『マザー』の見どころを尋ねられると「やはり、怖いシーンでしょうか。タイトルロールであるお母さんが、優しいけれど豹変する落差が何と言っても見どころです」とコメント。続けて「撮影中は、気づかなかったんですけど、優しい、美しいお母さんのシーンが逆にすごく怖くなっていて。何かを内に秘めて、それを隠してにっこり笑うシーンがものすごく怖い(笑)。女性の怖さが感じられるシーンになりました」と話していた。
最後は2人で「まことちゃん」でおなじみの「グワシ」ポースを決め記念撮影。片岡は「笑顔でグワシポーズしてますけど(笑)、映画はホラー映画です。見るとホントに怖いですよ」と主演作をアピールしていた。
『マザー』は9月27日より新宿ピカデリーほかにて全国公開となる。
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