今日、9月6日から『攻殻機動隊ARISE border:4 Ghorst Stands Alone』が公開される。昨年6月公開の『border:1 Ghorst Pain』、11月の『border:2 Ghorst Whispers』、今年6月の『border:3 Ghost Tears』に続く4作目にして、シリーズ最終章。ストーリーにサスペンスやラブロマンスの要素を盛り込むなど、これまでにないさまざまなアプローチが見られる『攻殻機動隊ARISE』は、『攻殻』が25周年を機に新しいフェーズに入ったことを強く印象づけるシリーズになっている。それだけに、その結末を楽しみにしているファンは決して少なくないだろう。
・『攻殻機動隊ARISE』を引き立てるショーン・レノンの歌声、コーネリアスの音楽
前作『border:3 Ghost Tears』公開時の記事でも触れたように(https://www.moviecollection.jp/wp/news/detail.html?p=6984)、この『ARISE』シリーズで音楽を担当しているのはコーネリアス。自身の作品のほか、国内外のアーティストのプロデュースやリミックス、ライヴ・サポートなどを多彩に展開する小山田圭吾のソロ・プロジェクトだ。
『攻殻』の音楽は、作品/シリーズごとにまるで違う傾向を持っている。たとえば最初の劇場作品『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』では、川井憲次の手がける打楽器や合唱などの倍音を活かした空気感豊かな音づくりが印象的だったし、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズでは、菅野よう子がアッパーかつハイブリッドなサウンドを臨機応変に展開している。
コーネリアスによる『ARISE』の音楽は、両者のそれに比べると音数が少なく控えめな印象があるかもしれないが、サラウンド環境での視聴を強く意識したサウンド・デザインやシンプルに研ぎ澄まされた音のひとつひとつの存在感という点で異彩を放っている。そのあたりは前回の記事でいろいろ書かせてもらった通り。しかしその際立った個性を最もわかりやすく感じられるのは、やはり歌入りのエンディングテーマだ。今回の『border:4 Ghorst Stands Alone』で起用されている高橋幸宏&METAFIVE(小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井)の「Split Spirit」も、その意味で期待を裏切らない強力な一曲に仕上がっている。(文:伊藤隆剛/ライター)
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