(後編)筆者イチオシ!のガッキー主演映画は果たして何位に? アイドル対決にも注目

#週末シネマリサーチ

『幕が上がる』
(C)2015 O.H・K/F・T・R・D・K・P
『幕が上がる』
(C)2015 O.H・K/F・T・R・D・K・P

(…前編より続く)

○【5位予想】『幕が上がる』
劇作家の平田オリザの小説を、映画『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督で映画化。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーが主演をつとめ、演劇に青春をかける高校生たちを瑞々しく描いている。
上映館数は約120館。この作品の潜在能力を推測するのは正直非常に難しい。2月21日に香川・高松で行われたライブ&トーク付先行上映会では2000人が駆け付けるなど、ももクロに熱狂的なファンが多いのは周知の事実。先々週に約160館でスタートした『テラスハウス クロージング・ドア』が爆発したことを考えると、ファンが上映館に殺到する可能性も十分ある。

【週末シネマリサーチ】(前編)筆者イチオシ!のガッキー主演映画は果たして何位に? 今週はアイドル対決にも注目

▲【9位予想】『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』
台湾の女性監督チアン・ショウチョンが、永作博美と佐々木希を迎えて描いたヒューマンストーリー。小さい頃、離れ離れになった父の帰りを待つために、日本海に面する奥能登に喫茶店「ヨダカ珈琲店」を開業した岬(永作博美)。その向かいの民宿に住むシングルマザーの絵里子(佐々木希)は、岬の存在を快く思っていなかったが、ある出来事をきっかけにかけがえのない友人となる……。
東映配給にしては少なめの約90館からのスタート。プロモーション的には1月29日に完成披露試写が行われ、永作博美と佐々木希が登壇。2月19日には女性誌の読者を対象にした公開直前イベントが行われ、佐々木の親友でもある木下優樹菜がトークショーに参加した。ターゲットは女性。主演の永作も女性からの支持は高い。同配給、全国80スクリーンでスタートした『深夜食堂』が動員3万人を記録。同程度の集客が見込めれば、ベスト10に食い込んでくるだろう。

△【10位予想】『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
ジョン・ファブローが製作、監督、脚本、主演をつとめた心温まるロードムービー。ロサンゼルスで一流レストランの総料理長をつとめるカールは、オーナーや料理評論家と喧嘩をして店を辞めてしまう。故郷のマイアミで食べたサンドウィッチに触発されたカールは、サンドウィッチの移動販売を思いつくのだが……。
約60館と公開規模は大きくないが、この作品はなかなか面白い。2月17日には、中山美穂と離婚後、メディアへの露出が増えているミュージシャン辻仁成をゲストに迎えてのイベントを敢行。「ネットの炎上」や「息子との絆」など作品に共通するテーマのトークで話題を呼んだ。劇中に登場する俳優たちも、ダスティン・ホフマンやロバート・ダウニー・Jr.、スカーレット・ヨハンソンなど豪華な顔ぶれ。高稼働に期待だ。

【注目シネマ】
×『サムライフ』
理想の高校を作りたいと、教師を辞めて一念発起した長岡秀貴氏の自叙伝を映画化。「自分で生き方を決める学校」という理想を掲げ、さまざまな困難に立ち向かいながらも、目標のためにまい進する姿を描いた物語だ。
長野県での先行上映を経て、10館前後の公開規模でスタート。若手注目俳優・三浦貴大、現在大ブレイク中の松岡茉優、加治将樹などが顔を揃える。2月18日には完成披露試写が行われ、松岡の20歳の誕生日をサプライズで祝う演出で大いに盛り上がった。

×『アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48』
「AKB48」の姉妹グループとして、名古屋を拠点に活動している「SKE48」初のドキュメンタリー。NHK紅白歌合戦出場や、単独ドーム公演など、結成から6年間の歴史が、メンバーたちの声と共に綴られている。
上映館は約20と少ない。姉妹グループ初のドキュメンタリーで、本家「DOCUMENTARY of AKB48」は初めての上映の際はベスト10に入らなかったものの、2012年は7位、2013年、2014年は共に10位という結果を残している。「AKB48グループ」の中でも、人気の高いSKE48。どのぐらいの集客があるのか注目したい。

(文:磯部正和/映画ライター)

磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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