カトリーヌ・ドヌーヴにヴェネツィア国際映画祭名誉金獅子賞を授与

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カトリーヌ・ドヌーヴ
ヴェネツィア国際映画祭公式サイトより

スピーチでは、若さにこだわるハリウッドを揶揄

先月31日(現地時間)から開催中の第79回ヴェネツィア国際映画祭で、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴが名誉金獅子賞を授与された。

同日午後に行われた記者会見で、ミッドナイトブルーのシャツの胸元にウクライナ国旗をつけて支持をアピールしたドヌーヴは現在78歳。1967年に主演作『昼顔』が金獅子賞を受賞、彼女自身も『ヴァンドーム広場』(98年)で女優賞を受賞し、最近では是枝裕和監督の『真実』(19年)がオープニング上映作に選ばれるなど、ヴェネツィア国際映画祭と縁が深い。

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今回は長年にわたる映画への功績をたたえる授賞で、ドヌーヴはフランス語と英語、イタリア語と3つの言語を流暢に操りながら、初めて本映画祭に参加したときの記憶を「まるで昨日のことのよう」と語り、「ジャック・ドゥミと撮った作品(『シェルブールの雨傘』など)、もちろんフランソワ・トリュフォーとアンドレ・テシネ」などを自身にとって大切な作品として挙げた。

息の長いキャリアについて「たくさんの幸運と良い出会い、そして良い決断も悪い……というか、間違った決断です」「私たち俳優は映画の一部に過ぎません。良い決断をしても、結果がそうならないことはあるのです」と分析した。

「過去を振り返る暇はありません。私は現在を見て前に進んでいるからです」と言い、キャリアの面では「アメリカよりもヨーロッパにいる方がずっといい」と語る。「現在は少しましになりましたが、1950年代には35歳を過ぎた女優は年寄りとみなされました」と若さにこだわってきたハリウッドの実情にふれ、「照明も、映画の作り方も違いました。それは変わりましたが、それでもヨーロッパの方がその点ではより良いです」

ウクライナのジャーナリストから、現在進行中の紛争について尋ねられると、「私の発言は歪曲される可能性があるので、何も言いたくないんです」と答えた。

是枝裕和監督の『真実』に主演した後、2019年11月に脳卒中で倒れたが、無事に回復。当時撮影していた『愛する人に伝える言葉』は10月7日から日本公開予定だ。さらに、つい先日までパリで新作を撮影し、ジャック・シラク元フランス大統領夫人のベルナデットを演じたという。そして1ヵ月以内にはベルギーで英語映画『Funny Birds(原題)』の撮影に入る多忙なスケジュールで、本人の言葉通りの前進を続けている。

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