俳優の阿部寛が9月9日、都内で実施されたドラマ『すべて忘れてしまうから』の配信直前イベントに共演者のChara、宮藤官九郎、岨手由貴子監督と共に出席。劇中に登場する“Bar 灯台”をイメージしたイベント会場で、作品やプライベートについて語った。
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「映画以上の丁寧さで嘘のない現場。参加できて光栄」
本作は、ディズニープラス発の日本オリジナルコンテンツとして、世界に向けて配信される記念すべき作品。配信作品初出演となった売れっ子のミステリー作家“M”役の阿部は「僕も初めての経験でしたので、ワクワクしています。今回の現場は初めましての方が多く、セットにも演出にもこだわりがある現場で、本当にすごく丁寧に撮っていただけた。改めて参加できて光栄でしたね」と笑顔で答えた。
『スワロウテイル』(96年)以来、26年ぶりの映像作品への出演となったCharaは「私の役は、音楽を愛するというキャラクターでしたので、私でよかったかもと思いました。自分の素のまま演じられて、監督からはそのままで結構ですので、と仰っていただいたので、良く見せようとすると緊張するのですけど、考えないようにしながら演じました」と撮影当時を振り返り、また本作のエンディング・アーティストが各話それぞれ変わる、計10組のアーティストよって紡がれることについては「私以外のアーティストさんは、音楽的にマニアックな方が多く、私の好きなアーティストさんもたくさん参加しているので、どんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみですね」と言及した。
フクオを演じた宮藤は脚本家という立場から、本作の日常の風景を切り取った脚本について「普通だったら、彼女がいなくなったというスタートから、もっと必死で、叫んだり泣いたりという作品を作ったりすると思うんですが、この作品は阿部さん演じる“M”が全然まじめに探さない。そこが楽しいですよね。(“F”のことを)全然忘れちゃってて、時々思い出したり、急に探したりといった感じで、でも恋愛って実際そういうものだよな、と。友達でもない東京で暮らす人々との他愛のない会話が本当に面白い。斬新ですよね」と語った。
話は、イベント会場に投影されている、“Bar 灯台”のセットのことに。阿部は“Bar 灯台”の空間を「撮影の合間にいつもと違う席に座ってみたんです。良く見るとカメラに映らない場所まで、本当に細部までこだわってセットが作られていて。嘘がない場所なんです。暗くて気づかないようなところもすごくて、映画以上に皆さんが時間をかけて丁寧に作ってることに驚きました」とクオリティの高さに驚嘆。
岨手監督はこのセットについて「カメラで撮らない場所までしっかり作ってくれました。カメラをどこに向けても画になるように、カメラの奥行きも完璧に計算して作ってくれました。どうしたらこんなセット作れるのかと思いましたね」と細部までこだわり抜いたセットだったことをアピールした
そんな“Bar 灯台”は、作中のキャラクターの心の拠り所とも呼べるべき場所。仕事関係での悩みや、考えが煮詰まったときに通う場所はあるかと聞かれた阿部は「墓地ですね」とまさかの回答。「台本を覚えるときによく行くんです。お気に入りの場所がありまして、車の中で考え事をします」と告白し、MCから夜に行くのか聞かれ「昼です!」と笑いながらコメントした。
Charaは「昔はそれこそBARに良く行きましたが、目を閉じれば集中できるんで今特に無いかな(笑)自宅のキッチンが好きですね」と回答。宮藤は「パソコンがあればどこでも集中できます。でも、良く仕事するためにパソコン開いても結局YouTubeばっかり見ちゃうとかよくやりますね(笑)。それと、ドラマの中の喫茶店は落ち着くなと思いましたね。昔ながらの喫茶店で落ち着く空間でしたね」と明かした。
さらに、本作タイトルにちなんで“最近何か忘れてしまったこと”についての質問が。阿部は本作の原作の内容をど忘れしてしまったと告白。「このイベント前に思い出そうとしたのですが、思い出せなくて(笑)」とまさかの“忘れもの”に会場から笑いが起こり、Charaは「忘れても怖いものはないですね。人間は忘れる機能があると思うんですが、私はその機能をフルに活用している」と笑いながら独自の考えを吐露。
宮藤も「最近他人の顔を覚えられないことが多いですね。マスクずらしたりしてヒントをくれる方もいますが、分からないことが多いです」と悩みに近い忘れてしまったことを教えてくれた。イベント時間も残りわずかとなり、岨手監督は「この作品は、連続ドラマでありながら、フィルムで撮影をしています。そして、フィルムに相応しい作品に仕上がっていると思います。エンディング曲のライブパフォーマンスもそうですし、日々の何気ない日常を描きながら、すごいチャレンジをした作品だと思います」と力強くアピール。
最後に阿部は本作の見どころを「最近の僕の作品は、事件が起きたり過激なドラマ作品などが多かったのですが、この作品は本当に何気ない会話でできあがっているんです。言う必要ないじゃないかというセリフもあったりするんですが、ほとんどの人は何気ない日常を毎日過ごしていて、その中で相手のいろんな面が見えてくると思うので、この作品を観て皆さんも自分のことを改めて振り返ってもらえると嬉しいです」と配信を楽しみに待つファンに向けてメッセージを贈り、イベントは幕を閉じた。
ドラマ『すべて忘れてしまうから』は9月14日より独占配信、順次世界配信。
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