【週末シネマ】ミニスカートで脚光を浴びたデザイナーの素顔と60年代ロンドンの空気感
『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』
「マリー・クワント」と聞いてみなさんは何を思い浮かべるだろうか? 筆者はやはり、ブランドのアイコンモチーフ「デイジー」を思い浮かべる。今の若者にとってマリー・クワントがどんな位置付けかはわからないが、90年代にはかなり旬な雰囲気を醸すブランドであった。失礼ながら、もはや一時期ほどの鮮度や勢いはないものの、今でも日本国内にマリー・クワントのショップは多数点在している。
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マリー・クワントは60年代のモード界を牽引する存在で、世界でトップクラスのイケてるデザイナーだった。『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』は、モード界に大きな足跡を残したデザイナー、マリー・クワントの伝記映画である。
既成概念を打ち壊したマリーの活躍と当時のファッション映像が魅力
マリーは、スウィンギング・ロンドンと称された小洒落感漂う60年代のロンドンにおいて、流行の震源地であり核だった。既成概念を打ち壊してアクティブに動けるモダンなスタイルのミニスカートやジャンパースカートを発表したことで、一躍世間の脚光を浴びる存在となる。『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』では、マリーの生い立ちや、公私に渡りベストパーナーとなるアレキサンダーとのなれそめなどについても語られる。マリーと正反対の資質を持ったアレキサンダーのおかげで、ブランドが商業的に大成功を収めた経緯などもうかがい知ることができて興味深い。当時のスウィンギング・ロンドンの浮かれ具合や熱量がリアルに伝わってくるのも、本作の大きな魅力である。モード感あふれる当時のファッション映像は、見ているだけでテンションがダダ上がりだ。マリー・クワントというデザイナーの素顔を垣間見ると共に、60年代のロンドンの空気感をリアルに堪能したい方は、ぜひ映画館に足を運んでいただきたい。
そしておそらく、映画を見たら同時開催の「マリー・クワント展」にも足を運びたくなること請け合いである。この作品を見ることでマリーのデザインと人柄に魅了され、彼女のことをもっと知りたくなるからだ。(文:羽野ハノン/ライター)
『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』は、2022年11月26日より公開中。
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