(…前編より続く)
2015年は塚本晋也監督の渾身の『野火』、石井隆監督の久々のシリーズ第3弾『GONIN サーガ』、寡作な橋口亮輔監督の集大成と言える『恋人たち』など個性の強い名監督たちが新作を披露してくれた。今後もさまざまな監督たちの次回作が期待されるところ。コレが筆者が気になる監督たちベスト5だ!
・【この監督に注目】前編/2016年、この監督の作品に注目! クドカン、三池崇史、黒沢清…気になる監督をピックアップ
夫婦愛の次は恐怖。得意分野での実力を見たい!
【第2位:黒沢清監督】
夫婦愛を描いて海外でも評価の高かった『岸辺の旅』に引き続き、原作ものを扱う黒沢清監督。今度、映画化するのは第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞した前川裕原作の『クリーピー』だ。同じ“失踪”をモチーフにしながら、前作のような愛ではなく、得体の知れない奇妙な隣人による恐怖に迫る。もともと得意とするホラーサスペンスで、黒沢監督がどれだけ遺憾無く実力を発揮してくれるか見ものだ。
さすがの目の付け所! 冷め切った愛をどう描くのか?
【第1位:西川美和監督】
小説やエッセイも発表してきた西川美和が手がけ、直木賞候補にもなった「永い言い訳」を自らメガホンを取って映画化に挑む。突然のバス事故で長年連れ添った妻へ主人公が向けていたのは“狂おしいほどの愛”ではなく、“もはや冷め切ってしまっていた愛”。その関係性での喪失を追求するとは、さすが西川監督は痛いところ、というか痛くない嫌なところをついてくる。『ゆれる』など、複雑な心理や濃密な人間関係を描くことに定評のある西川監督がどのように映像化するだろう。(文:入江奈々/ライター)
入江奈々(いりえ・なな)
1968年5月12日生まれ。兵庫県神戸市出身。都内録音スタジオの映像制作部にて演出助手を経験したのち、出版業界に転身。レンタルビデオ業界誌編集部を経て、フリーランスのライター兼編集者に。さまざまな雑誌や書籍、Webサイトに携わり、映画をメインに幅広い分野で活躍中。
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