『セッション』サントラがハイレゾで異例のヒット!
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開のタイミングで、過去の『スター・ウォーズ』全エピソードのサウンドトラックがハイレゾ音源として配信されたことは当コラムで先日お伝えした通り。同じダウンロード音源であるMP3などの圧縮音源はもちろん、CDと比べても数倍の容量を持ち、より良い音が期待できるハイレゾ音源。これまでは耳の肥えた音楽ファンを中心としたマニアックなトレンドだったわけだが、今回の『スター・ウォーズ』シリーズの登場が映画ファンに向けた“気づき”として、とても大きな意味を持っていることは間違いない。
実はこのところ、『スター・ウォーズ』シリーズ以外にも話題の映画やドラマのサントラのハイレゾ化が相次いでいる。たとえば『007』シリーズ。最新作『007 スペクター』の公開に合わせ、同作と過去のおもだった作品のサントラの配信がスタートした。ジョン・バリーによる『ロシアより愛をこめて』『ゴールドフィンガー』『女王陛下の007』をはじめ、その流れを受け継いだトーマス・ニューマンによる『スペクター』まで、数作をハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」などで購入することができる。
ジョン・バリーが確立した華やかでキレ味のいいボンド・ミュージックは、CDよりも音の器の大きいハイレゾと親和性がとても高い。中でも『007は二度死ぬ』のドリーミーなストリングスのふくよかさは絶品で、ナンシー・シナトラの歌う主題歌とともに一度は体験していただきたい世界だ。また、『スペクター』でのダークで奥行感のあるトーマス・ニューマンのスコアも、ハイレゾではいっそう深みを増して聴こえる。
2015年にもっとも賛否両論の分かれた作品と言っていい『セッション』のサントラも、ハイレゾのサントラでは異例の(?)ヒットを記録しているという。劇中で重要な役割を果たす「ウィップラッシュ」や「キャラバン」といったジャズのスタンダード曲をはじめ、主人公による壮絶なドラムの練習シーンなども収録されたこのサントラでは、音を聴いているだけで血と汗の飛び散る本編の映像が蘇ってくるほど、粒子の細かく陰影感に富んだサウンドを楽しむことができる。すでにDVDやBlu-rayを買ったという人も、聴いてみる価値が十分にある音源だ。(文:伊藤隆剛/ライター)
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