4月1日に公開初日を迎えた映画『蜜のあわれ』の舞台挨拶が4月2日に新宿バルト9で行われ、主演の二階堂ふみをはじめ、大杉漣、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏、韓英恵、渋川清彦、石井岳龍監督が登壇した。
本作は、文豪・室生犀星が晩年の1959年に発表した小説「蜜のあはれ」を映画化したもの。室生自身ともとれる老作家の妄想から生まれた金魚の少女・赤子が、自分のことを“あたい”、老作家のことを“おじさま”と呼んで甘えてみせる無邪気かつエロティックな恋物語だ。
17歳の頃に原作を読み、その映像化と、金魚の少女・赤子を演じることを熱望していた二階堂は、「ずっと思い続けていた作品がこうして形になって、お披露目する日が来るなんてとても嬉しくて、なんだか不思議な気持ちです」と感動もひとしお。
ちょうど1年前の今日、4月2日がクランクインの日だったと話す老作家役の大杉は「書斎のシーンで、二階堂さんが自分に『おじさま』と呼びかけるのですが、ああここに金魚がいるとハッとしました。その時に、きっと味わい深い、いい作品になると確信しました」と振り返った。
金魚売り役の永瀬は「金魚が主役の映画は世界初じゃないかな。ビジュアル化してどうなるのか想像がつかなかったけど、二階堂さんが本当に金魚に見えて来るんですよね」と絶賛した。
幽霊役を演じた真木は「生きていないのに感情を持っている。人間とは違う複雑な感情表現が難しかったですが、いい経験になりました。純文学作家の狂気と危うさを1ページ1ページめくってみせられているような、不思議な世界観にどっぷりつかって演じましたね。二階堂さんの赤子はとってもプリティ!」とコメント。
同じく幽霊役を演じた高良は「芥川龍之介の幽霊役だったのですが、芥川が動いている映像を何度も見て役作りしました。幽霊だというのを逆にあまり意識せず演じました。ずっとワクワクさせられっぱなしの、スゴく楽しい現場でした」と話していた。
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