【ついついママ目線】1/衝撃的な母子の姿に普遍的な命題を見た『ルーム』
子育てに正解はあるのか?
母子の距離感の難しさ
主演女優賞を獲得したアカデミー賞をはじめ、映画賞を席巻した『ルーム』。外界から隔離されたある“部屋”で暮らす母・ジョイと5歳の息子・ジャックにスポットを当てて描いている。本作は実話に着想を得た小説が原作であり、公開直前には朝霞市の女子中学生が拉致監禁から生還したニュースが話題となり、現実とリンクした衝撃的な物語だ。
本作はリアルに感じるところもあれば、綺麗事のおとぎ話に見える面もある。ただ、センセーショナルなだけでなくドラマティックな展開のなかに、普遍的な母子間の命題も感じさせてくれた。 母ジョイは息子ジャックを守ってやれるのは世界で自分ただひとりであり、それが自分の責任であり、義務であると信じて何が何でも息子を守ろうとする。それは母親として当然だと思うし、ストレスをぶつけたりもせずに立派過ぎてヒーローに見えるほどにジョイはやり遂げている。しかし、ジョイはそれが正解だったのか、とハタと悩みだす。もっと早くに母から離れることになったとしても息子だけでも助けられる方法があったんじゃないか、と。
ジョイとジャックはとても特殊なケースの母子だ。でも、母がそばにいることばかりが子どもにとって良いことなんだろうか、という問題は母がいつも思い悩む命題だと思う。母子2人っきりで“部屋”にいたジョイのようにそばにいるか、まったく会えなくなるかというのは極端な話だが、“部屋”にいる状態から現実的な広い世界へと戻ったときにも、その命題はジョイを悩ませたことだろう。(「2」に続く…)
『ルーム』は公開中。
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