【今日は何の日】のど自慢の日に見たい、昭和ムード歌謡の世界にどっぷり浸れる映画

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『星屑の町』
(C)2020「星屑の町」フィルムパートナーズ

1月19日はのど自慢の日。1946年(昭和21年)のこの日にNHKラジオの「のど自慢素人音楽会」が始まったことを記念して、NHKが制定した記念日である。「のど自慢」というワードにはもはやノスタルジックな響きがあるが、今回はそんな空気感にピッタリの昭和ムード歌謡が堪能できる作品をご紹介しよう。

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のん主演『星屑の町』、おじさんコーラスグループに思わぬ一服の清涼剤が…

『星屑の町』は、25年間愛された舞台作品の映画化である。「山田修とハローナイツ」は鳴かず飛ばずでこれといったヒット曲のないおじさんコーラスグループだが、地方回りをしながら細々と活動を続けている。ある日リーダーの山田修(小宮孝泰)の故郷で公演を行った際に、突然地元の田舎娘・愛(のん)がハローナイツに入りたいと押しかけてくる。愛には、かつて歌手を目指して上京したものの夢破れて故郷に出戻ってきた過去があった。だが全く心折れておらず、歌手になる夢を諦めきれずにいたのだ。パッとしない無名のおじさんコーラスグループでも、愛からすれば「東京から来たプロの歌手」ということでキラキラして見えたのだろう。

レトロ感あふれる歌と衣裳を楽しめる

予想外の加入志望者を受け入れるか否かでメンバーの意見は割れる。イケオジならまだしも、冴えないおじさんの中に若い女の子が1人混じるのはあまりに異質だとメンバー自身もわかっていたからである。とはいえ、結局愛は加入を許され新生「愛&ハローナイツ」が誕生することに。愛の加入効果は絶大で、その異色なメンバー構成がウケて徐々に世間の注目を集めてゆく。作中では、島倉千代子やピンキーとキラーズのカバーをはじめ、オリジナル曲の「シャボン玉」などレトロ感満載の昭和ムード歌謡やステージ衣装が楽しめる。フロントでメインボーカルを務める“のん”演じる愛の可愛らしさと、バックのコーラス隊のおじさん達のビジュアルの対比が楽しい。だがこの作品は、単純に「新メンバー加入で売れ始めて良かったね。めでたしめでたし」では終わらない。個人的には、野心に燃える女のしたたかさとたくましさを垣間見た気がしたのだが、みなさんはいかがだろうか。(T)

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