映画『友罪』の特別授業イベントが5月14日に明治大学駿河台キャンパスで行われ、生田斗真、瑛太、瀬々敬久監督がサプライズ登壇した。
本作は、デビュー作で江戸川乱歩賞を受賞するなど、ミステリー界の若手旗手として注目される作家・薬丸岳が2013年に発表した同名人気小説の映画化作品。連続児童殺傷事件で世間をさわがせた少年Aの、その後を描いた人間ドラマで、町工場で働く友人(瑛太)をかつての少年Aではないかと思うようになった主人公(生田)の葛藤を描く。
この日のイベントは同大学の文学部文学科にて伊藤氏貴准教授の特別授業として行われ、「少年犯罪」をテーマに学んでいる約100名の学生が出席した。
授業にちなんだ質問では、映画のように友人が重大な犯罪を犯していたと知ってしまった場合に、友だちを続けるかやめるかという問いかけが。これに生田は「一度友情が芽生えたのであれば続けていきたいのが本音だけど、それは少しきれいごとという気もするし難しいですね。でも、少しでも自分の力で彼の将来が変わってくれるのではないかという期待は持ちづづけていくのだろうと思います」と思案しながらコメント。
瑛太も「まず距離を取るかもしれないです。それまでよりは警戒心も生まれるし、自分の家に子どもがいて、そこに犯罪を犯した人間を入れることはできなくなるし、もしかしたら少しずつ距離をおいて友だちをやめるかもしれないです」と慎重に答えた。
また、就職を控えた学生からは、現在の仕事に就いたきっかけや岐路となったポイントなどに関する質問が。小学校5年生の時に母親の応募で事務所に入ったという生田は「もともと芸能の仕事に興味はなくて、なんとなく部活の延長のような感じで楽しく続けていました。でも、高校生くらいの時に大学へ進学するのか、仕事を続けるのか、辞めて就職するのがいいのかと岐路に立ち、本当に自分がやりたいことは何かを考えさせられました」と回答。
その答えを見つけたのが俳優業といい「僕は興味がないままこの世界に入ってしまったので、確信が欲しくて模索し続けていて。その時に演劇に出会い、楽しそうに作品を作って、それを見たお客さんが感動して劇場を後にする姿に感銘を受けて、お芝居で生きていこうと決意しました」と振り返った。
一方、高校1年の時にそれまで続けていたサッカーに挫折し、次に何をすべきか模索していたという瑛太は「スーパーの品出しとか色々とバイトをしてみたけど、給料をもらうと達成感があっても、どれも1ヵ月くらいしか続かなかった。その頃、趣味で映画を見ていて、一番現実から逃れられるのはスクリーンの中しかなくて、一番現実逃避できる手段は俳優じゃないかと思って」と当時の心境を吐露。
特別授業の後半では、瑛太が冗談交じりに生田と自分のどちらが好きか尋ね、人気投票も開催。これに瑛太が数で勝利し、瑛太自身予想外の結果に「ごめん、斗真」と謝りつつ、瑛太派の男子生徒からは「瑛太さんの方がエロい」、女子生徒からは「メンヘラっぽいところが好きです」などの声があがり、大きな笑いも起きていた。
『友罪』は5月25日より全国公開となる。
(text&photo:中村好伸)
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