映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』のプレミア上映舞台挨拶が6月26日に新宿武蔵野館で行われ、W主演をつとめた南沙良(みなみ・さら)と蒔田彩珠(まきた・あじゅ)、萩原利久(はぎわら・りく)、湯浅弘章監督が登壇した。
・『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』プレミア上映舞台挨拶、その他の写真
本作は、押見修造の実体験をもとにした同名人気コミックの映画化作品。高校1年生の志乃(南沙良)は上手く言葉を話せないことで周囲と馴染めずにいたが、ひょんなことから同級生の加代(蒔田彩珠)と友だちになる。音楽好きなのに音痴な加代は、思いがけず聞いた志乃の歌声に心を奪われバンドに誘う。かくして、文化祭へ向けての猛練習が始まり、さらに、志乃をからかった同級生の男子・菊地(萩原利久)も参加することになるが……。
舞台挨拶では、ひと足先に完成作を見た感想を聞かれ、6月11日に16歳になったばかりの南は「見終わった後、余韻に満たされました。志乃、加代、菊地の3人は自分たちのままで進んでいけるんだなと感じ、心の奥の方があったかくなりました」と回答。15歳の蒔田は「実際の自分の年と近い役を演じて、作品を見て、グッと胸に迫るものがありました。自分たちが伝えたかったことが伝えられたと感じています」と述べた。
また湯浅監督は「夜中に1人で編集しながらウルッときていました。多くの作品を作ってきましたが、生まれて初めて『これ、イケるな』と感じました。ハードルあげすぎですかね? でも自信ありますよ」とアピール。さらに、静岡の沼津で2週間に渡って行われた合宿のような撮影を振り返ると「とにかく主演の2人が本番直前までキャッキャッしてるんですよ。でもヨーイがかかった瞬間にスイッチが切り替わって、ドキッとする瞬間がありました。『あぁ、本当に女優の顔をしているな』と実感しました」と南と蒔田の女優の顔を明かした。
その後、登場人物たちが上手く思いを伝えられないという本作にちなみ、撮影時には言えなかった「今だから言えるお互いへの思い」をパネルに書いて打ち明ける催しも。萩原がパネルに書いたのは「みんなで菊地扱い」という言葉で、「最初は『菊地そのままだ!』と言われて嬉しかったんですけど、カメラが回っていないときでも『菊地ウザイ〜!』と言われるようになりショゲました(笑)」と撮影エピソードを披露し、会場の笑いを誘う。
蒔田が記したのは「南さんへ あの時は可愛かった…」という文字。隣で聞く南が思わず照れ笑い浮かべる中、蒔田は「撮影中の宿で、夜中に私の部屋に来て、怖い話をテレビで見てながら大きいリアクションをして。気づいたら隣に眠っていて(笑)。起こしても起きないんですよ」と仲良しエピソードを披露。
そうした中、最後に監督が出したパネルは「3人へ、絶対仲良くならないと思ってた」というもの。クランクイン前の予想を裏切るほど撮影を通して仲良くなった3人に「仲が悪かったとき用の演出も考えてたんですけど、1つも使わずにすみました」と冗談交じりに明かしていた。
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は7月14日より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開となる。
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