2018年、映画会社の勝ち組・負け組/日本編
2018年の映画会社の勝ち組・負け組を「日本編」「ハリウッド編」の2回に分けて取り上げます。今回は日本編です。
・強すぎるディズニーが断トツ1位! 最下位は7年連続のあの映画会社
1月〜10月までの映画会社別の総興行収入を見ると、勝ち組の筆頭は東宝の563億円。2位のウォルト・ディズニーに2倍以上の差をつける断トツの1位だ。このまま年間首位を記録するのは間違いなく、16年連続での首位となる。年間興行ランキング1位『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』、2位『名探偵コナン ゼロの執行人』を独占したのをはじめ、配給したアニメ映画『映画ドラえもん のび太の宝島』『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』『未来のミライ』、実写映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』『検察側の罪人』が大ヒットした。
2位はウォルト・ディズニー(239億円)。ディズニー作品は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(75億円)、『リメンバー・ミー』(49億円)、『インクレディブル・ファミリー』(48億円)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(37億円)、『プーと大人になった僕』(24億円)が大ヒット。ディズニーはスター・ウォーズとマーベルのアクション映画、ピクサーのアニメーション映画、ディズニーの人気キャラクターの実写映画化とバランスの取れたラインアップ戦略がヒットに結びついている。
4位はワーナー・ブラザーズ(164億円)。興収30億円超えは『銀魂2』(36億円)のみだったが、『レディ・プレイヤー1』(25億円)、『オーシャンズ8』(17億円)、『MEG ザ・モンスター』(16億円)と15億円超えのスマッシュヒットが3本あった。11月23日公開『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は大ヒットスタートを切っており、年間を通せばもう少し上位に食い込みそうだ。
5位は20世紀フォックス(120億円)。『グレイテスト・ショーマン』(52億円)と『デッドプール2』(18億円)がヒット作だが、現在『ボヘミアン・ラプソディー』が興収50億円を超えて興収を伸ばしている。この数字は調査対象外のため、ワーナー同様、年間を通せばもう少し上位に食い込みそうだ。
負け組はソニー・ピクチャーズ(43億円)。最大のヒット作が公開中の『ヴェノム』で20億円以上を見込む。同作は11月公開なので43億円にはふくまれておらず、年間を通せば総興収は上積みされる。アメリカではソニー・ピクチャーズ史上最大のヒットを記録した『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』だが、日本では13億円と伸び悩んだ。(文:相良智弘/フリーライター)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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