『万引き家族』33年ぶり快挙!LA映画批評家協会賞外国語映画賞受賞

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『万引き家族』でLA映画批評家協会賞外国語映画賞した是枝監督(左)とイ・チャンドン監督(右)
『万引き家族』でLA映画批評家協会賞外国語映画賞した是枝監督(左)とイ・チャンドン監督(右)

是枝裕和監督の『万引き家族』が、1月13日に行われた第44回ロサンゼルス映画批評家協会賞授賞式で、日本映画としては黒澤明監督の『乱』以来33年ぶりに外国語映画賞に輝いた。

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同賞は、アカデミー賞前哨戦として注目を集める賞で、ロサンゼルスを拠点に活動する映画批評家で構成された“ロサンゼルス映画批評家協会”のメンバー投票によって決定する。今回は、村上春樹の短編小説「納屋を焼く」をもとにした韓国映画『バーニング 劇場版』と並んでの外国映画賞受賞。過去には『君の名は。』(新海誠監督)、『かぐや姫の物語』(高畑勲監督)、『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)がアニメーション映画賞に輝いているほか、本年度のキャリア功労賞に宮崎駿監督が選ばれている(※日米合作映画としては、クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』が作品賞を受賞)。

スタンディングオベーションと拍手の中、授賞式に登場した是枝監督は「この賞をいただいたお礼をひと言述べたくて、10時間飛行機に乗って、今朝この街に着きました。本当にありがとうございます。5月にカンヌの映画祭で賞いただいた時に、審査委員長のケイト・ブランシェットさんがこの作品のことをインビジブルピープル、目に見えない人たちを目に見える形にしたというところをすごく評価していただきまして、とても嬉しかったんですね。この映画に限らず、いつも映画を作る時には、見えないもの、声にならない声をどういう風に映画にするかということを考えているのでとても嬉しかったです。映画にはある力があると思っています。それは、例えば日本と韓国とか、アメリカとメキシコとか隣り合う国と国、人と人の間に大きな力が、壁を作りお互いがお互いを見えなくしようとする時に、その壁を取り払ってお互いを見える形にしていく、そういう力です。なので友人でもあり、韓国の最も尊敬する監督でもあるイ・チャンドンさんと同じ賞を受賞できたことが本当に嬉しいですし、これからもその力を信じて映画を作り、また10時間でも20時間でも飛行機に乗ってみなさんのもとを訪れたいと思います。今日はありがとうございます」とスピーチ。喝采を浴びた。

本作は、既に公開開始から6ヵ月目を迎え、1月10日時点で興行収入45億3900万7128円、観客動員371万531人という、是枝監督作品最大の興行収入を記録している。また、昨年5月開催の第71回カンヌ国際映画祭授賞式で最高賞にあたるパルムドールに輝いたのをはじめ、現在56の海外映画賞各部門でのノミネート、30の受賞歴を重ねている。第91回米国アカデミー賞外国語映画賞部門<日本出品作品>にも選ばれており、最終ノミネーション発表前の候補リスト9本にも残っている。1月22日に行われるノミネート発表に向け、大きな弾みがつく形となった。