2月公開作の1位は『七つの会議』。池井戸潤の小説のテレビドラマ化は、『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』『ルーズヴェルト・ゲーム』とTBSが積極的だが、映画は昨年の『空飛ぶタイヤ』(松竹製作・配給)に続き2度目。しかも本作はTBSが製作し、香川照之、及川光博、片岡愛之助など池井戸ドラマ常連俳優が顔をそろえ、監督は一連の池井戸ドラマの演出を手がけた福澤克雄だ。主役の野村萬斎をはじめキャストがTBSを中心にバラエティ番組に数多く出演しPRに務め、興収17.4億円を記録した『空飛ぶタイヤ』に続くヒットとなった。
・10日間で約20億! 木村拓哉主演作が絶好調でシリーズ化に期待
実は『空飛ぶタイヤ』は09年にWOWOW、『七つの会議』は13年にNHKでテレビドラマ化されている(映画版とキャストは別)。16年に公開された『64-ロクヨン-』もテレビドラマ化後、キャストを代えて映画化され大ヒットした。今後もこのパターンの映画化が続くかもしれない。
『ワンダーウーマン』『ジャスティス・リーグ』と興収を落とし、『アクアマン』の興行成績が不安視されたが、見事V字回復を果たした。2月4日にアクアマンの相棒となるヒロイン、メラ役を務めたアンバー・ハードが来日して、元レスリング選手の吉田沙保里とイベントに参加。さらに公開直前の6日に最速応援上映イベントが行われ、日本語版声優を務めた安元洋貴と田中理恵が舞台挨拶に出席。話題作りに一役買った。
DCコミックの映画化は4月19日に『シャザム!』が控えているが、『アクアマン』のヒットで公開に弾みがついた。
3位は『劇場版シティハンター 新宿プライベート・アイズ』。99年に放送されたテレビスペシャル以来、20年ぶりの新作だ。冴羽獠役の神谷明が舞台挨拶にフル稼働。1月29日の完成披露試写会、2月9日の公開記念舞台挨拶、16日の大ヒット御礼舞台挨拶に他の声優陣や監督、原作者と出席しPRに務めた。
[2月公開作ランキング]
1位『七つの会議』17.8億円
2位『アクアマン』12.7億円
3位『劇場版シティハンター 新宿プライベート・アイズ』10億円
(2月24日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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