池松壮亮と蒼井優が8月22日に新宿バルト9で行われた映画『宮本から君へ』完成披露舞台挨拶に出席。共演者の井浦新、一ノ瀬ワタル、原作者であり主人公・宮本の父親役を演じた新井英樹、そしてメガホンをとった真利子哲也監督も壇上に上がった。冒頭、池松が本作に出演し、今年3月に麻薬取締法違反などの罪で逮捕されたピエール瀧について涙ぐみながら語る一幕があった。
同作は、2018年4月クールに放送されたドラマ『宮本から君へ』の映画版。容赦ない人間描写と圧倒的な世界観を描く新井の同名マンガを原作に、熱血営業マン・宮本浩(池松)と彼の恋人・中野靖子(蒼井優)が、目の前に立ちはだかる“究極の愛の試練”を克服していくストーリーだ。
挨拶を求められた池松は、少し間を置き「いよいよこういう日を迎えられて幸せに思います」と口を開いた。ピエール瀧に関して「僕が監督よりも近い距離でみていた共演者として言えることは、あの人の目は本気でしたし、この作品にとんでもなく大きな力を注いでくれていたと思っています」と触れつつ、「もうあの瞬間に戻ることはできないというくらいスタッフ全員がパワーを注ぎ込んだ作品となっています」と、並々ならぬ熱量を込めて作品に臨んだことを観客にアピールした。
そして再び感極まった様子で「個人的な見解ですが、私たちは人を罰する力を持つのであれば、もしかしたらそれと同じくらい、もっとそれ以上に人を許す力も必要なのではないかと思っています。(ピエール瀧には)なんとか立ち上がって、また映画の現場で会えることを今はただ願っています」と言葉を告げていた。
蒼井は「生半可な気持ちでは立ち向かえない、すごい熱量の作品でしたので、自分たちもボロボロになりながら平成の終わりにみんなで挑みました」と衝撃的な運命を辿るヒロイン・中野靖子を演じた感想を語っていた。また「待ってるとは言えませんが、今まで一緒に楽しく作品(モノ)を作ってきたことは事実。私たちはこれからも映画を作り続けるので、またお互いの人生が交差するときが来たら」と思いを語った。
原作の大ファンで、原作者である新井と初めて会った時も緊張していたという池松が「愛する人のため“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む」という重要な場面の撮影にあたり、自分の歯を抜こうとしていたという仰天エピソードが明かされた。この行動に対しては池松も「周囲から止められた」とコメント。別の映画の撮影で一緒だった蒼井にも相談していたということだったが「歯は大事だよ」と告げられたという。池松は「なんか母親に止められているような、妙な説得力があって…皆さんも踏みとどまりたいことがあったら、蒼井さんに止めてもらうといいですよ」と語り、会場の笑いを誘った。
『宮本から君へ』は9月27日より全国公開となる。
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