2003年10月3日生まれ。神奈川県横須賀市出身。2018年に豊田利晃監督の映画『泣き虫しょったんの奇跡』でスクリーンデビュー。2021年から本格的に俳優活動を開始。最近の出演作はドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』、『あたりのキッチン!』(共に23年)、映画『麻希のいる世界』(22年)、『少女は卒業しない』(23年)、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』、『愛のゆくえ』(共に24年)など。
ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の窪塚愛流と、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』蒔田彩珠。今、最も注目されている若手の2人が共演した純愛ストーリー『ハピネス』が、5月17日より公開される。
「下妻物語」で知られる嶽本野ばらの同名小説を篠原哲雄が監督。心臓に病を抱え余命7日間と告げられた高校2年生の少女・由茉と、同じ年の恋人・雪夫の切なくも微笑ましい日々を、家族との関係も交えながら描き出す。
嶽本文学に必須のロリータファッションは本作でも登場し、少女の純粋さ、可憐さと恋人の優しさを表現する良きアイテムとなっている。悲しいはずなのにクスリと笑みが込み上げるユーモラスなシーンも印象的な本作について、雪夫を演じた窪塚と、由茉を演じた蒔田に話を聞いた。
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窪塚:そうですね……高校生の時だと特別なことをしようと思わなくて、当たり前の、その時の自分の日常を生きます。ただその中で、会える限りの人と会いたい、一緒にいたいなって思います。
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窪塚:高校生の時は、綺麗だったり美しく消えたいみたいなことより、もうグッチャグチャでいいから友だちとものすごく騒いで、会える人とできるだけ会って、もうはっちゃけて自分をさらけ出した状況で死にたいと思うのかもしれません。逆に今だと、美しく死にたいと思ったりするかもしれません。
蒔田:高校生の時だったら……多分、その時にやっている仕事を、最後まで変わらずにやり続けるのかなと思いますね。
蒔田:やっぱり悲しいと思います。高校生、まだまだこれからですし、大人になって楽しみなことがきっといっぱいあるだろうし、悲しい気持ちになると思います。
窪塚:それはもう悲しさに満ち溢れて、僕は雪夫のように(死という現実を穏やかに)受け止めてあげられないかもしれない。雪夫は大切な人のことを思い向き合って、“涙を見せない”という優しさを選びました。けれど、僕自身はそんな模範的な男の子にはなれないし、そうですね……その子の前では全力で涙を隠すけれど、ふとした瞬間ではもう滝のように涙が溢れたり、多分、内心ズタボロだと思います。それが仮に恋人でも家族でも悲しさは同じだと思います。
蒔田:私もそう思います。本人が明るく振る舞えば振る舞うほど、きっとさらに辛くなるし、何もしてあげられないという気持ちになり、悲しくなりますね。
窪塚:理想のデートは、スポーツカーとかちょっと格好いい車に乗ってドライブしたり夜景を見に行ったりしたいです。なんかそういう男のロマンみたいなのがあります。でも、自分はそういう車は持っていなくて、レンタカーなどではハイレベルな車は23歳からしか借りられないんです。あと2年待たないといけないです。
蒔田:私はバイクでツーリングデートですかね。(タンデムシートに乗るのではなく)前ですけど(笑)。
蒔田:そうですね、性格的には違いますね。
蒔田:兄が2人いて、普段はズボンだったりメンズの洋服を着ることが多いので、ああいうフワフワ、フリフリしてるお洋服を着ると、やっぱり気分も上がりますし、女の子のおしゃれを楽しめた気がします。
蒔田:スカートはボリュームがあって歩きやすく、長すぎず短すぎずで意外と生活しやすかったです。
窪塚:普段ああいった格好はしませんし、自分でも見慣れないので緊張しました。でも、雪夫のキャラクターにはすごく馴染んでいたと思います。自分は(胸元の)リボンだけのロリータファッションでしたが、蒔田さんの衣装を見て、女性の魅力を引き出してくれるファッションだな、と思いました。それ以来、ロリータファッションの人を見ると魅力的に感じるようになりました。
窪塚:普段話す言葉とはまた違う古風な言葉なので、今まで演じてきた役とはちょっと違っていました。でもそれがとても雪夫らしくて、色々なことを受け入れることのできる器の広い男の子というキャラクターが出ていたと思います。
窪塚:雪夫はとても大人で「本当に高校2年生?」と思うようなところが多々ありました。自分を見つめ直させるような部分があるキャラクターですし、背中を押してくれるような温かさもあり、今の自分にとってはかけがえのない役だなって思いました。
蒔田:由茉は本当に強くて、自分よりも周りの人たち……雪夫や家族のことを優先して、ネガティブな感情はなるべく外に出さないように、ポジティブな気持ちだけを出して皆を元気づけようとする女の子。演じていて辛いシーンももちろんあったのですが、由茉を見て元気づけられる人はいっぱいいるんじゃないかな、と思いながら演じていました。
窪塚:小学生の頃に1年間ぐらい剣道を習っていました。地区大会で銅メダルを取ったこともあるので、殺陣に興味があります。時代劇など刀を使うような役に挑戦してみたいです。
蒔田:最近『忍びの家 House of Ninjas』が配信されてアクションを褒めていただいたので、またなにかアクション作品があれば出てみたいですね。前回よりももっと身体を鍛えて挑みたいです。
窪塚:お先にどうぞ(笑)。
蒔田:(笑)。撮影しているときから監督や愛流くんと3人で、見た人が元気になれるような明るい作品になるようにしようねと話していました。できあがった作品も、悲しい気持ちではなく温かい気持ちになれる作品だと思うので、たくさんの方に見ていただきたいです。
窪塚:この作品は一見、由茉と雪夫の2人の恋物語なのですが、実は親や兄妹も含めた家族物語として見ることができる素敵な作品です。
自分は、親になるにはまだまだほど遠いですし、親になれるかどうかも分かりませんが(笑)、自分に子どもがいたら由茉の親のようにするのかな、と考えさせられました。
窪塚:思いました…いや、ああいう風になるかは分かりませんが、親の偉大さというのはすごく感じました。
この映画はそれぞれの愛の形が描かれていて、どれが正解というのはないと思うので、いろいろな方に見ていただき、それぞれの気持ちで受け取っていただけたら嬉しいです。
窪塚:そうです。
(text:編集部/photo:小川拓洋)
(窪塚愛流 ヘアメイク:中山八恵/スタイリスト:上野健太郎)
(蒔田彩珠 ヘアメイク:山口恵理子/スタイリスト:小蔵昌子)
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